2024年11月19日、岡田将生と高畑充希が結婚を発表した。きっかけは、配信ドラマ『1122 いいふうふ』(Amazon Prime Video、2024年)での初共演である。
同作タイトルになっている“いいふうふ” の日(11月22日)直前の結婚発表をどう読み解くことができるのか。
2022年を起点として考える、お互い準備万端だったと想像する結婚発表とは? イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。
◆起点となるのは2022年
2024年11月19日、岡田将生と高畑充希が結婚を発表したが、その話題について考えるとき、起点となるのは2022年ではないかと筆者は勝手に考えている。まず岡田将生から。
岡田にとっての2022年とは、映画出演作の公開がなかった代わりに、主演ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日)が放送された年である。米倉涼子主演ドラマ『Doctor-X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日、2012年)の後継的作品としての呼び声高く、中園ミホによる脚本、中井貴一との名バディによって続編が放送中である。
『ザ・トラベルナース』が岡田にとって重要な作品であることはたしかだけれど、2022年の仕事として特筆すべきは実は他にある。2022年5月17日に放送された紀行番組『神秘のヨーロッパ絶景紀行 「崖の上に街があった」』(BSプレミアム)で担当したナレーション仕事がそれだ。
◆声と存在ダブルの魅力
ギリシャのサントリーニ島からイタリアのシチリア島まで、断崖の町並みにフォーカスする同番組で岡田が声を吹き込む。それぞれの町並みを俯瞰する空撮画面に合わせた、岡田の声色、その細やかなトーンが実にクリア。
セリフのような調子のナレーションをするタイプの俳優もいるが、岡田のナレーションは、映像を邪魔しないように配慮した客観的な視点に徹している。空撮画面とあいまって、この達観した声の魅力は、岡田の俳優人生が次のフェーズへ確実に入ったことをつつましく伝えている気がした。
前後して同年3月27日に授賞式が行われた米アカデミー賞では、人気俳優役で出演した映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)が作品賞にノミネートされる快挙を果たした。授賞式でその美麗ぶりが話題だった岡田は、濱口竜介監督の演出によって映画俳優として画面内に存在することの強度を鍛えた。
2022年の岡田将生から、声と存在のタブルの魅力で完全無欠の俳優像が浮かぶ。岡田自身の心境には何か変化があったのか。
ほんと漠然とだけれど、そろそろ「結婚」という一文字が浮かんできてもおかしくないよなぁと思ったりしたものだ。
◆結婚についてふれていた高畑充希
高畑充希にとっての2022年はどうだったか。岡田同様に、映画の公開作はなく、舞台『ミス・サイゴン』帝国劇場公演がありつつ、主演ドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)が放送されている。注目すべきはバラエティ番組出演だった。
林修がMCを担当する『日曜日の初耳学』(TBS、2022年2月20日放送回)で、2021年に30歳の節目を迎えた高畑が、結婚についてふれていたのが話題になったのである。
「30までに何者かにならないといけないのかな」や「あんまり年齢に縛られていいことないなと思いました」と話しつつ、30代に入ったことで、結婚願望を問う世間からの月並みな眼差しに対するカウンターにしている。
そうした眼差しに関してはむしろ岡田のほうが気にしていたのかもしれない。岡田は、2020年に結婚した松坂桃李と戸田恵梨香の婚姻届の保証人になっている。
交友関係を知られている松坂が結婚したことで、岡田が結婚を意識し始めているとかいないとか、高畑との「猛烈スピード婚」という表現を駆使したあるネット記事に書かれていた。その記事は丁寧なことに芸能関係者のコメント付きだった。
◆お互い準備万端でカチッとはまる感じ
ネット記事になんだかそれっぽいコメントを提供する芸能関係者とはいったい、何者なのか。無記名である時点で、関係者だろうがなんだろうがそんな人たちのコメントは噂以上の意味はない。
そりゃ俳優だって人間なのだから、なんとなく日常の中で結婚などについて考えることはあるだろう。配信ドラマ『1122 いいふうふ』(以下、『1122』)をきっかけに岡田と高畑が交際を始めたのは2024年から。交際開始から1年も足たないらうちに結婚を発表したことになる。
これを無闇に猛烈スピード婚だとか、電撃結婚だと騒ぐ必要もないし、上述した芸能関係者なる存在の言葉の信憑性を問うまでもないことだと思う。
今回の結婚は、(結婚という価値観に対して)お互い準備万端でカチッとはまった結果という感じが単純にするからである。
『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ、2007年)や『天然コケッコー』(2007年)の岡田を「まー君」呼びなどしてときめいていた筆者からするとそりぁ心動く話題だったけれど、それくらいの成り行きだったんだろうなぁくらいに想像しておくのがいいんじゃないだろうか?
◆“いいふうふの日”からあえてずらした結婚発表
いずれにしろ、『1122』での共演が、ふたりの結婚のきっかけになったことは事実だから、同作について簡単に確認しておく。
相原二也(岡田将生)と相原一子(高畑充希)は、結婚7年目の夫婦。セックスレスにある中で、他に恋人を作ってもいいという婚外恋愛許可制を結んで、不倫を公認する夫婦関係。
第1話冒頭、二也が「ひとんちのことは外からはわからないからね」と言う。そうなのである。お互い準備万端でカチッとはまる感じで結婚を発表した現実の岡田と高畑の馴れ初めや生活など、メディアが関係者のコメント付きで報じようが、そんなこと「外」の人にはわかりっこない。
同作公式Instagramにアップされているタキシードとウエディングドレス姿の岡田と高畑のフィクショナルな写真を結婚発表を報じる記事に使ったとして、それは現実を反映するものではない。
作品の画面内と画面外を安易にリンクさせるのはどうなのか。二也と一子の結婚記念日が11月22日という設定だとして、岡田と高畑の結婚記念日になるわけでもないし、結婚発表を“いいふうふの日”からあえてずらしているのだから。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
同作タイトルになっている“いいふうふ” の日(11月22日)直前の結婚発表をどう読み解くことができるのか。
2022年を起点として考える、お互い準備万端だったと想像する結婚発表とは? イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。
◆起点となるのは2022年
2024年11月19日、岡田将生と高畑充希が結婚を発表したが、その話題について考えるとき、起点となるのは2022年ではないかと筆者は勝手に考えている。まず岡田将生から。
岡田にとっての2022年とは、映画出演作の公開がなかった代わりに、主演ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日)が放送された年である。米倉涼子主演ドラマ『Doctor-X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日、2012年)の後継的作品としての呼び声高く、中園ミホによる脚本、中井貴一との名バディによって続編が放送中である。
『ザ・トラベルナース』が岡田にとって重要な作品であることはたしかだけれど、2022年の仕事として特筆すべきは実は他にある。2022年5月17日に放送された紀行番組『神秘のヨーロッパ絶景紀行 「崖の上に街があった」』(BSプレミアム)で担当したナレーション仕事がそれだ。
◆声と存在ダブルの魅力
ギリシャのサントリーニ島からイタリアのシチリア島まで、断崖の町並みにフォーカスする同番組で岡田が声を吹き込む。それぞれの町並みを俯瞰する空撮画面に合わせた、岡田の声色、その細やかなトーンが実にクリア。
セリフのような調子のナレーションをするタイプの俳優もいるが、岡田のナレーションは、映像を邪魔しないように配慮した客観的な視点に徹している。空撮画面とあいまって、この達観した声の魅力は、岡田の俳優人生が次のフェーズへ確実に入ったことをつつましく伝えている気がした。
前後して同年3月27日に授賞式が行われた米アカデミー賞では、人気俳優役で出演した映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)が作品賞にノミネートされる快挙を果たした。授賞式でその美麗ぶりが話題だった岡田は、濱口竜介監督の演出によって映画俳優として画面内に存在することの強度を鍛えた。
2022年の岡田将生から、声と存在のタブルの魅力で完全無欠の俳優像が浮かぶ。岡田自身の心境には何か変化があったのか。
ほんと漠然とだけれど、そろそろ「結婚」という一文字が浮かんできてもおかしくないよなぁと思ったりしたものだ。
◆結婚についてふれていた高畑充希
高畑充希にとっての2022年はどうだったか。岡田同様に、映画の公開作はなく、舞台『ミス・サイゴン』帝国劇場公演がありつつ、主演ドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)が放送されている。注目すべきはバラエティ番組出演だった。
林修がMCを担当する『日曜日の初耳学』(TBS、2022年2月20日放送回)で、2021年に30歳の節目を迎えた高畑が、結婚についてふれていたのが話題になったのである。
「30までに何者かにならないといけないのかな」や「あんまり年齢に縛られていいことないなと思いました」と話しつつ、30代に入ったことで、結婚願望を問う世間からの月並みな眼差しに対するカウンターにしている。
そうした眼差しに関してはむしろ岡田のほうが気にしていたのかもしれない。岡田は、2020年に結婚した松坂桃李と戸田恵梨香の婚姻届の保証人になっている。
交友関係を知られている松坂が結婚したことで、岡田が結婚を意識し始めているとかいないとか、高畑との「猛烈スピード婚」という表現を駆使したあるネット記事に書かれていた。その記事は丁寧なことに芸能関係者のコメント付きだった。
◆お互い準備万端でカチッとはまる感じ
ネット記事になんだかそれっぽいコメントを提供する芸能関係者とはいったい、何者なのか。無記名である時点で、関係者だろうがなんだろうがそんな人たちのコメントは噂以上の意味はない。
そりゃ俳優だって人間なのだから、なんとなく日常の中で結婚などについて考えることはあるだろう。配信ドラマ『1122 いいふうふ』(以下、『1122』)をきっかけに岡田と高畑が交際を始めたのは2024年から。交際開始から1年も足たないらうちに結婚を発表したことになる。
これを無闇に猛烈スピード婚だとか、電撃結婚だと騒ぐ必要もないし、上述した芸能関係者なる存在の言葉の信憑性を問うまでもないことだと思う。
今回の結婚は、(結婚という価値観に対して)お互い準備万端でカチッとはまった結果という感じが単純にするからである。
『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ、2007年)や『天然コケッコー』(2007年)の岡田を「まー君」呼びなどしてときめいていた筆者からするとそりぁ心動く話題だったけれど、それくらいの成り行きだったんだろうなぁくらいに想像しておくのがいいんじゃないだろうか?
◆“いいふうふの日”からあえてずらした結婚発表
いずれにしろ、『1122』での共演が、ふたりの結婚のきっかけになったことは事実だから、同作について簡単に確認しておく。
相原二也(岡田将生)と相原一子(高畑充希)は、結婚7年目の夫婦。セックスレスにある中で、他に恋人を作ってもいいという婚外恋愛許可制を結んで、不倫を公認する夫婦関係。
第1話冒頭、二也が「ひとんちのことは外からはわからないからね」と言う。そうなのである。お互い準備万端でカチッとはまる感じで結婚を発表した現実の岡田と高畑の馴れ初めや生活など、メディアが関係者のコメント付きで報じようが、そんなこと「外」の人にはわかりっこない。
同作公式Instagramにアップされているタキシードとウエディングドレス姿の岡田と高畑のフィクショナルな写真を結婚発表を報じる記事に使ったとして、それは現実を反映するものではない。
作品の画面内と画面外を安易にリンクさせるのはどうなのか。二也と一子の結婚記念日が11月22日という設定だとして、岡田と高畑の結婚記念日になるわけでもないし、結婚発表を“いいふうふの日”からあえてずらしているのだから。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu