おにぎりブームの加速が止まりません。2023年「ご馳走おにぎり」がぐるなび主催のアワード「今年の一皿」を受賞するなど、日本の食卓やSNSを大いに賑わわせた「おにぎり」。
2024年に入ってもその勢いはとどまらず、「#onigiri」は海を越えて、なお拡がり続けています。握っても握りきれないこの大ムーブメント、いったいなぜここまで「おにぎり」は人の心をつかんで離さないのか。
長年、ごちそうおにぎりを握り続けてきた、現在フォロワー38万人の大人気インスタグラマーで11月に発売になった『ごちそうおにぎりとまんぷくスープ』の著者でもあるTesshiさんに、流行の理由とおにぎりの魅力についてきいてみました。
◆2023年から一向に終わらない「おにぎりブーム」
2023年に話題になったおにぎりブームは、SNSから大きく火が付きました。おにぎり専門店の名物おにぎりや、自作のごちそうおにぎりなどの写真がトレンドに。東京・大塚のおにぎり専門店「ぼんご」の数時間の待機列などは、おにぎりフィーバーの象徴的な風景でした。
その流れを受けておにぎり専門店が都市圏を中心に急増し、今年に入ってブームが全国区に。駅前の唐揚げ店やタピオカ店がいつのまにかおにぎり専門店に……という光景を目にした方も多いのではないでしょうか。
さらにブームは国内だけでなく、海外でもおにぎりがブームになっているそうです。
◆じつは2~3年に一度のペースで流行っているおにぎりブーム
――Tesshiさんがおにぎりを握り始めたのは、今から25年ほど前だとか。
トレーラーの運転手である旦那さんが、片手で簡単に食べられ、満足感を得られることからおにぎりを握りはじめたのだそう。四半世紀にわたっておにぎりを作り続けているTesshiさんは、何度か「おにぎりブーム」を体感しているといいます。
Tesshiさん(以下、Tesshi):おにぎりブームですが、じつは息が長いトレンドです。2015年ごろに「おにぎらず」が流行ってから、ブームの波は4回ぐらい来ているのではないでしょうか? 2~3年に一度のペースで流行っている印象です。
――たしかに、“悪魔のおにぎりブーム”や“SPAMおにぎりブーム”から始まって、浅草のおにぎり専門店がミシュランガイドに載ったりなど、ここ10年ほどおにぎりについての話題は途切れないきがします。こういった息が長いムーブメントが起きる理由はどこにあるのでしょうか。
Tesshi:おにぎりが支持される理由は、やはりそのシンプルさと懐の広さだと思います。私がインスタにおにぎり投稿を始めたのは10年ほど前ですが、まだそのころは、おにぎりを投稿している人がほとんどいなかったので、驚かれました(笑)
当時はブログやSNSに「じっくりコトコト」系やキャラ弁など、めちゃくちゃ凝った料理を上げるのが多かったんですよね。
まあ、私はできれば短時間でちゃちゃっと作って終わらせたい派なのでおにぎりと相性がとてもよくて(笑)。当時から開き直って投稿していました。思い起こせば、そのころ海外の方からの反響は結構ありましたね。
◆10年前にインスタでアップしたら……
Tesshi:当時はコメントの2~3割が海外の方でした。「kawaii」とか「oishii」とか言ってくれてとてもうれしい!という感じでした。韓国や台湾、東南アジアなど米食文化の強い地域の方だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アラビア圏など世界中から反響があって、驚きましたね。
コメントのやり取りをしていると、やっぱりアニメや漫画の影響でおにぎりに興味を持った方が多いように見えますね。
『千と千尋の神隠し』で泣きながらおにぎりを食べるシーンなどはインパクトが大きかったと思います。ほかにも『鬼滅の刃』でもたくさんおにぎりは出てきますし、『呪術廻戦』の狗巻くんなんて、おにぎり特化のキャラクターですよね(笑)。
――海外ではグルテンフリーなどの観点から健康面でおにぎりを支持する人も多いそうですが、キャラ愛すらあたたかく包み込んでしまうのがおにぎりの度量の広さなのかもしれません。
◆Tesshiさんおすすめの「ごちそうおにぎり」とは?
――Tesshiさんの考えるおにぎりの魅力はなんでしょうか?
Tesshi:やっぱり、自由なところ。おにぎりって懐が本当に深くて。握らなくったっていいんです(笑)。どんな具を入れてもいいし。
私はごちそうおにぎりのレパートリーを考えるときによく参考にするのが回転ずしなんですよ。ハンバーグがのっかっててもいいんです! 酢飯ってほんとなんでも合いますしね。私も個性的な食材を具にする時は、よく酢飯をおにぎりに使うんですよ。
――なるほど! おにぎりってほんとうに自由ですよね。
Tesshi:私が「#ごちそうおにぎり」で投稿し出してから長く経ちますが、「ごちそう」っていっても別に「高級」とは限らない。
好きなものを好きなときに食べられたらそれはごちそうなんだと思います。大事なのはおにぎりを作るときに、食べる瞬間を想像すること。
自分のために作るなら、おにぎりにかぶりつく瞬間をイメージすると、ワクワクするはず。誰かのために作る場合は、このおにぎり見たらどんな顔するのかな。どんな顔して食べてくれるのかな。そういったことを考えながらおにぎりを作る時間も、自分にとってはごちそうです!
【Tesshi】
愛知県岡崎市在住。Instagramに投稿するボリューミーで迫力満点の「#ごちそうおにぎり」やスープ、パスタなどが大人気のインスタグラマー。本業は保育士。フォロワー数は38万人超え(2024年11月現在)で、国内外からの注目を集める。著書多数。 Instagram @tmytsm
<取材・文/高橋健太 構成/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
2024年に入ってもその勢いはとどまらず、「#onigiri」は海を越えて、なお拡がり続けています。握っても握りきれないこの大ムーブメント、いったいなぜここまで「おにぎり」は人の心をつかんで離さないのか。
長年、ごちそうおにぎりを握り続けてきた、現在フォロワー38万人の大人気インスタグラマーで11月に発売になった『ごちそうおにぎりとまんぷくスープ』の著者でもあるTesshiさんに、流行の理由とおにぎりの魅力についてきいてみました。
◆2023年から一向に終わらない「おにぎりブーム」
2023年に話題になったおにぎりブームは、SNSから大きく火が付きました。おにぎり専門店の名物おにぎりや、自作のごちそうおにぎりなどの写真がトレンドに。東京・大塚のおにぎり専門店「ぼんご」の数時間の待機列などは、おにぎりフィーバーの象徴的な風景でした。
その流れを受けておにぎり専門店が都市圏を中心に急増し、今年に入ってブームが全国区に。駅前の唐揚げ店やタピオカ店がいつのまにかおにぎり専門店に……という光景を目にした方も多いのではないでしょうか。
さらにブームは国内だけでなく、海外でもおにぎりがブームになっているそうです。
◆じつは2~3年に一度のペースで流行っているおにぎりブーム
――Tesshiさんがおにぎりを握り始めたのは、今から25年ほど前だとか。
トレーラーの運転手である旦那さんが、片手で簡単に食べられ、満足感を得られることからおにぎりを握りはじめたのだそう。四半世紀にわたっておにぎりを作り続けているTesshiさんは、何度か「おにぎりブーム」を体感しているといいます。
Tesshiさん(以下、Tesshi):おにぎりブームですが、じつは息が長いトレンドです。2015年ごろに「おにぎらず」が流行ってから、ブームの波は4回ぐらい来ているのではないでしょうか? 2~3年に一度のペースで流行っている印象です。
――たしかに、“悪魔のおにぎりブーム”や“SPAMおにぎりブーム”から始まって、浅草のおにぎり専門店がミシュランガイドに載ったりなど、ここ10年ほどおにぎりについての話題は途切れないきがします。こういった息が長いムーブメントが起きる理由はどこにあるのでしょうか。
Tesshi:おにぎりが支持される理由は、やはりそのシンプルさと懐の広さだと思います。私がインスタにおにぎり投稿を始めたのは10年ほど前ですが、まだそのころは、おにぎりを投稿している人がほとんどいなかったので、驚かれました(笑)
当時はブログやSNSに「じっくりコトコト」系やキャラ弁など、めちゃくちゃ凝った料理を上げるのが多かったんですよね。
まあ、私はできれば短時間でちゃちゃっと作って終わらせたい派なのでおにぎりと相性がとてもよくて(笑)。当時から開き直って投稿していました。思い起こせば、そのころ海外の方からの反響は結構ありましたね。
◆10年前にインスタでアップしたら……
Tesshi:当時はコメントの2~3割が海外の方でした。「kawaii」とか「oishii」とか言ってくれてとてもうれしい!という感じでした。韓国や台湾、東南アジアなど米食文化の強い地域の方だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アラビア圏など世界中から反響があって、驚きましたね。
コメントのやり取りをしていると、やっぱりアニメや漫画の影響でおにぎりに興味を持った方が多いように見えますね。
『千と千尋の神隠し』で泣きながらおにぎりを食べるシーンなどはインパクトが大きかったと思います。ほかにも『鬼滅の刃』でもたくさんおにぎりは出てきますし、『呪術廻戦』の狗巻くんなんて、おにぎり特化のキャラクターですよね(笑)。
――海外ではグルテンフリーなどの観点から健康面でおにぎりを支持する人も多いそうですが、キャラ愛すらあたたかく包み込んでしまうのがおにぎりの度量の広さなのかもしれません。
◆Tesshiさんおすすめの「ごちそうおにぎり」とは?
――Tesshiさんの考えるおにぎりの魅力はなんでしょうか?
Tesshi:やっぱり、自由なところ。おにぎりって懐が本当に深くて。握らなくったっていいんです(笑)。どんな具を入れてもいいし。
私はごちそうおにぎりのレパートリーを考えるときによく参考にするのが回転ずしなんですよ。ハンバーグがのっかっててもいいんです! 酢飯ってほんとなんでも合いますしね。私も個性的な食材を具にする時は、よく酢飯をおにぎりに使うんですよ。
――なるほど! おにぎりってほんとうに自由ですよね。
Tesshi:私が「#ごちそうおにぎり」で投稿し出してから長く経ちますが、「ごちそう」っていっても別に「高級」とは限らない。
好きなものを好きなときに食べられたらそれはごちそうなんだと思います。大事なのはおにぎりを作るときに、食べる瞬間を想像すること。
自分のために作るなら、おにぎりにかぶりつく瞬間をイメージすると、ワクワクするはず。誰かのために作る場合は、このおにぎり見たらどんな顔するのかな。どんな顔して食べてくれるのかな。そういったことを考えながらおにぎりを作る時間も、自分にとってはごちそうです!
【Tesshi】
愛知県岡崎市在住。Instagramに投稿するボリューミーで迫力満点の「#ごちそうおにぎり」やスープ、パスタなどが大人気のインスタグラマー。本業は保育士。フォロワー数は38万人超え(2024年11月現在)で、国内外からの注目を集める。著書多数。 Instagram @tmytsm
<取材・文/高橋健太 構成/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa