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「市販のお菓子は体に悪いから」娘の友達が持参した“驚きのおやつ”。後から聞いた「ママの言葉」にもゾゾッ…/2024人気記事top5

女子SPA! 2024年12月23日 8時47分

2024年1~11月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとにtop5まで紹介します。こちらは、「子育て」ジャンルの人気記事です。(初公開日は1月26日 記事は取材時の状況です)

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 子どもが友達の家に遊びに行くとき、失礼がないように最低限のマナーは伝えておきたいですよね。ちょっとしたお茶菓子など手土産を持たせる、という人もいるかと思います。

「子ども同士なんだから気にしなくても……」と思われる方も多いかもしれませんが、一部のご家庭では想像を絶するルールが存在するようです。

◆子どもに、家庭独自のルールを徹底させるママ友

「あるママ友の、“行きすぎた配慮”に困っている」と語るのは、都内在住の主婦・小松美恵さん(仮名・36歳)。「配慮に困る」とは、一体どういうことでしょう。

「小学校3年生の娘が、クラス替えで新しく友達になった女の子をうちに招いたときの出来事です。『お邪魔しま~す』と娘と二人で帰ってきたその子の手には、なぜか透明のビニール袋が。そして、自分の靴を袋の中に入れて、玄関のすみにそっと置いたんです」

 イベント会場などでは、紛失をしないために自分の靴を袋に入れたりもしますが、一般のご家庭でなぜ袋に?

「聞いてみたら、『ママに、公園で遊んだ帰りにおじゃまするんだから、泥とかホコリがおうちを汚さないようにって言われてるんです』って……。たしかに一緒に遊んでいた娘の靴はわりと汚れていたけれど、もちろんそのまま。でもそんなの気にしません。

 そしてその子は、『替えのきれいな靴下も持ってます』と言って、すぐに玄関で履き替えたんです。……なんというか、衛生観念と気配りが徹底しすぎていて、申し訳ないけれどかなり衝撃でしたね」

◆娘の友達が、出したお菓子に手をつけない理由

 出迎えて早々に「カルチャーショックを受けた」という小松さんですが、まだまだ衝撃は止まりません。

「子どもたちに、お茶菓子とジュースを用意したんですよ。普通にスーパーで売っているポテトチップスと、チョコクッキーと、オレンジジュースです。

 そうしたら、娘のお友達が『市販のものは体に悪いものがいっぱい入ってるって、ママから言われてるんです』と言ってきて。

 ちょっとムッとしましたが、家庭によって食育のこだわりはあるので、まあしょうがないかなあと。そしたら、そのお友達がまたバックからガサゴソと何かを取り出して……」

 今度はいったい何が出てくるのでしょうか。

◆「うちではお菓子はこれしか食べないから」

「ポテトチップスです。なんやら、オーガニックだとか、食塩が使われてないとか、オリーブオイルでしか揚げてないとか。高級なスーパーで、ちっちゃいサイズのくせに、値段だけギョッとするくらい高いお菓子あるじゃないですか。そんな感じです。

『うちではお菓子はこれしか食べないから』って」

 バックからはさらに、お手拭き用の個包装されたウェットティッシュや、アルコールスプレーなども、続々出てくる出てくる。

「しかも、『ママに持たされた』と『お友達の分も』と、娘の分も合わせて全部二人分。

 綺麗好き、気配り上手というレベルを超越して、こだわりの塊(かたまり)の潔癖症なんじゃないか?! って思ってしまいました」

 そして飲み物も、高そうなこだわり農家のリンゴジュースを二人分用意されていたそう。洗い物を増やさない配慮か、子どもサイズの紙パックだったとか。徹底した気配りですね……。

◆今度は娘がそのお友達の家へ行くことに

 その日はずっと、徹底した娘の友達のママの配慮に終始圧巻されっぱなしだった小松さん。問題なのは、“その後”です。

「今度はうちの娘が、そのお友達のおうちに遊びに行くって。いやいや、ちょっと待ってよ、と。

 玄関の靴袋持参から、高級オーガニックのお菓子持参、ジュースも? ウェットティッシュやアルコールスプレーまで、常に何人分も子どもに持ち歩かせるママの家におじゃまするときに、もうなにを持っていけばいいの?! って、パニック状態ですよ」

 とりあえず、靴を入れるビニール袋は持たせることに。しかし、お菓子やジュースは同じようなものが見つかりませんでした。

「そこまで気にしないでいいのかもしれないけど、高そうでマニアックなお菓子を子どもに持参させる時点で、食へのこだわりが相当すごそうじゃないですか。しかもきちんと、二人分。へんなものを持たせて、娘の印象を悪くしたくないという気持ちもありました。スーパーを3軒はしごしたけれど見つからず、もう本当に焦ってしまって……」

◆焦って、焦って、やっと選んだ「懐かしのお菓子」

「ブルボンの『ルマンド』です。中身が詰まった高級バージョンのやつ。それと市販のポテトチップスに、なぜか割りばしを二膳つけました。

 ブルボンを嫌いな人はそうそういないじゃないですか! 『食べたことがないなら、食べてみてほしい』と血迷ったというか」

 なるほど、相当焦ったことだけは伝わってきます。

「……でもよくよく考えてみたら、ルマンドってパイシートが重なっているから、上手に食べないとボロボロと床に破片が落ちるんですよね。しかも、ポテチに割りばしって本当に意味がわからない」

◆ルマンドはセーフだったけど、他のママ友は……

 今でも、「当時のことを思いだすと、恥ずかしくて叫びたくなる」そうですが、なんとか気遣いのお礼をしようとした姿は相手にも伝わったといいます。

「うちの子どもが、『ママ、お礼しなきゃって頑張ってたよ』って伝えてしまって。

 でも、それがよかったみたい。別のママ友に話を聞いたら、こだわりの塊のママはほかのお友達の家に行くときも同じように徹底していたそうなんです。

 でも反対にお友達がその子の家に遊びに行ったとき、靴袋もお菓子もなにも用意しなかったら、その後、地域の集まりのときにチクリと一言あったみたいで。

『せめて靴袋は持参でお願します(苦笑)』『お礼は形ではなくて、気持ちの問題ですよね。そういう親の姿を子どもは見てますよ』って。ちょっと怖いですよね」

◆今では母娘そろって“ちょっと浮いた存在”に

 こだわりがあるのはいいですが、同じくらいの熱量や配慮を相手に求められてしまうと、さすがに辛いものがあります。

「そのチクリと言われたママ友は、『うちはお宅におじゃましたときも、迎えたときも、2回おもてなしをしています。その分のお菓子代を請求させていただきます』と、メモとレシートを渡されたとか。

 きっちりしすぎているご家庭も、それはそれでどこか息が詰まりそうですよね……」

 今では母娘そろって、ちょっと浮いた存在になってしまっているとか。マイルールの強要は、人間関係にヒビを入れてしまうこともあるようです。

<取材・文/赤山ひかる イラスト/ズズズ@zzz_illust>

【赤山ひかる】
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。

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