地方移住で理想の暮らしを手に入れた人を表彰する「ニッポン移住者アワード2024」。
都内で開催された選考会でグランプリに選ばれたのは、リタイア先のつもりで移り住んだ村で、思いがけず保育園を開園することになった75歳の女性でした。
◆5年前に移住してゆっくり暮らしていたら…
長野県原村は八ヶ岳の麓にある静かな山村。橘田美千代さんは、東京で乳幼児保育に45年かかわったのち、「庭で花を育てながら、のんびり暮らしたい」と5年前に移住しました。
家族とともに家を建て、ゆっくりと暮らしていたある日、村内にある八ヶ岳中央農業実践大学校の牧場で、赤ちゃんをおんぶして羊の毛刈りをする女性を見かけます。
話を聞いてみると、彼女は移住者で近くに頼れる人がおらず、村の保育園にも生後10か月未満の乳児は預けることができずに困っていたそう。
さらに調べると、村内には農業従事者や自営業者が多くいますが、彼女たちも移住者と同様に子どもの預け先がなくて苦労していることがわかりました。
そこで橘田さんは一念発起、これまでの経験を生かして活動を開始します。
◆クラウドファンディングで保育園を設立
村内の若いお母さんたちの意見を聞きつつ、リタイアした同世代の保育士や現役の保育士の協力を得て、「原村に乳児保育園をつくりたいプロジェクト」を立ち上げ。
地域の人たちの賛同のもと、クラウドファンディングや寄付を募って2022年4月には認可外保育園「八ヶ岳風の子保育園」として出発。その後、「社会福祉法人織りなす」を設立し、定員20人、0~2歳児までの乳児保育園は2023年4月に認可保育園となりました。
「2025年には、0歳から5歳児までの40名定員の保育園をつくる」という目標を掲げる橘田さん。ニッポン移住者アワードの選考委員からは「花を育てるはずが、子どもを育て始めた行動力がすごい!」と驚きの声が。
年齢をものともせず、地域を巻き込み社会課題を解決しようとする姿勢が評価され、第1回のグランプリ受賞者となりました。
「このような賞をいただいて励みになります。これからも村の仲間とがんばって、子どもたちがのびのび成長できる環境をつくっていきたい」という橘田さん。
同世代の仲間と手を取り合って、移住した地域を豊かにする活動に関わる姿に、会場から大きな拍手が送られました。
◆がんばる移住者たちが日本中にいる
ニッポン移住者アワード選考会では、グランプリ以外にも5つの部門賞が選考されました。
新たな雇用を生み出し、地域の活性化に貢献した人に贈られる「地域創生賞」は佐賀県有田町の上野菜穂子さんが受賞。
伝統ある焼き物のまちで、名物だった「ちゃわん最中」を復活させ、まち全体を百貨店に見立て観光客に回遊をうながす「うちやま百貨店」などの取り組みが評価されました。
次世代を担う子どもたちの成長を後押しする人を選ぶ「子ども未来賞」は三重県桑名市のスペイト・ダニエルさん。
オーストラリア出身のダニエルさんは、名古屋から桑名に移り住み、自身の3人の子どもを育てながら、未就学児向けの英語教育を行うプレスクールを運営しています。
移住先で地域の人たちと関わりながら、自分らしい暮らしを実現した人を表彰する「ウェルビーイング賞」は茨城県ひたちなか市の鈴木梨紗さんと北川千晴さんが受賞。
女性2人で農業を営む彼女たちは、まわりの人たちの協力を得ながら楽しくたくましく生きる姿に共感の声が集まりました。
◆ECサイト、養蜂…いろんな形で地域を盛り上げる
地元の産業を活性化し、地域の魅力を発信する人を選考する「地域産業賞」は愛媛県伊予市の上田沙耶さんが受賞。
祖父母が暮らすまちに大学在学中に地域おこし協力隊として飛び込み、ECサイト立ち上げ、泊まれる喫茶店の開業など、地域商社としてさまざまな事業を展開するスピード感と実行力に選考委員から驚きの声があがりました。
また、選考委員特別賞は2人が受賞。
千葉県長生村で養蜂業を営む橋澤義憲さんは、海外を飛び回る忙しい仕事を見直し、家族と子育て環境を充実させながら、地域の風土を生かし養蜂に取り組む姿勢が評価されました。
宮崎県宮崎市の鈴木幸菜さんは、吸水ショーツを考案するなどフェムテックに従事。移住によってQOLを向上させるとともに、地域の人たちの協力を得ながら、女性の社会課題の解決に寄与しています。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
都内で開催された選考会でグランプリに選ばれたのは、リタイア先のつもりで移り住んだ村で、思いがけず保育園を開園することになった75歳の女性でした。
◆5年前に移住してゆっくり暮らしていたら…
長野県原村は八ヶ岳の麓にある静かな山村。橘田美千代さんは、東京で乳幼児保育に45年かかわったのち、「庭で花を育てながら、のんびり暮らしたい」と5年前に移住しました。
家族とともに家を建て、ゆっくりと暮らしていたある日、村内にある八ヶ岳中央農業実践大学校の牧場で、赤ちゃんをおんぶして羊の毛刈りをする女性を見かけます。
話を聞いてみると、彼女は移住者で近くに頼れる人がおらず、村の保育園にも生後10か月未満の乳児は預けることができずに困っていたそう。
さらに調べると、村内には農業従事者や自営業者が多くいますが、彼女たちも移住者と同様に子どもの預け先がなくて苦労していることがわかりました。
そこで橘田さんは一念発起、これまでの経験を生かして活動を開始します。
◆クラウドファンディングで保育園を設立
村内の若いお母さんたちの意見を聞きつつ、リタイアした同世代の保育士や現役の保育士の協力を得て、「原村に乳児保育園をつくりたいプロジェクト」を立ち上げ。
地域の人たちの賛同のもと、クラウドファンディングや寄付を募って2022年4月には認可外保育園「八ヶ岳風の子保育園」として出発。その後、「社会福祉法人織りなす」を設立し、定員20人、0~2歳児までの乳児保育園は2023年4月に認可保育園となりました。
「2025年には、0歳から5歳児までの40名定員の保育園をつくる」という目標を掲げる橘田さん。ニッポン移住者アワードの選考委員からは「花を育てるはずが、子どもを育て始めた行動力がすごい!」と驚きの声が。
年齢をものともせず、地域を巻き込み社会課題を解決しようとする姿勢が評価され、第1回のグランプリ受賞者となりました。
「このような賞をいただいて励みになります。これからも村の仲間とがんばって、子どもたちがのびのび成長できる環境をつくっていきたい」という橘田さん。
同世代の仲間と手を取り合って、移住した地域を豊かにする活動に関わる姿に、会場から大きな拍手が送られました。
◆がんばる移住者たちが日本中にいる
ニッポン移住者アワード選考会では、グランプリ以外にも5つの部門賞が選考されました。
新たな雇用を生み出し、地域の活性化に貢献した人に贈られる「地域創生賞」は佐賀県有田町の上野菜穂子さんが受賞。
伝統ある焼き物のまちで、名物だった「ちゃわん最中」を復活させ、まち全体を百貨店に見立て観光客に回遊をうながす「うちやま百貨店」などの取り組みが評価されました。
次世代を担う子どもたちの成長を後押しする人を選ぶ「子ども未来賞」は三重県桑名市のスペイト・ダニエルさん。
オーストラリア出身のダニエルさんは、名古屋から桑名に移り住み、自身の3人の子どもを育てながら、未就学児向けの英語教育を行うプレスクールを運営しています。
移住先で地域の人たちと関わりながら、自分らしい暮らしを実現した人を表彰する「ウェルビーイング賞」は茨城県ひたちなか市の鈴木梨紗さんと北川千晴さんが受賞。
女性2人で農業を営む彼女たちは、まわりの人たちの協力を得ながら楽しくたくましく生きる姿に共感の声が集まりました。
◆ECサイト、養蜂…いろんな形で地域を盛り上げる
地元の産業を活性化し、地域の魅力を発信する人を選考する「地域産業賞」は愛媛県伊予市の上田沙耶さんが受賞。
祖父母が暮らすまちに大学在学中に地域おこし協力隊として飛び込み、ECサイト立ち上げ、泊まれる喫茶店の開業など、地域商社としてさまざまな事業を展開するスピード感と実行力に選考委員から驚きの声があがりました。
また、選考委員特別賞は2人が受賞。
千葉県長生村で養蜂業を営む橋澤義憲さんは、海外を飛び回る忙しい仕事を見直し、家族と子育て環境を充実させながら、地域の風土を生かし養蜂に取り組む姿勢が評価されました。
宮崎県宮崎市の鈴木幸菜さんは、吸水ショーツを考案するなどフェムテックに従事。移住によってQOLを向上させるとともに、地域の人たちの協力を得ながら、女性の社会課題の解決に寄与しています。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa