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衝撃で、赤ちゃんは車の外へ放り出された。「チャイルドシートは絶対使って!」わが子を亡くした家族の後悔<漫画>/2024人気記事top5

女子SPA! 2024年12月29日 8時44分

2024年1~11月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとにtop5まで紹介します。こちらは、「子育て」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2月9日 記事は取材時の状況です)

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赤ちゃんをチャイルドシートに乗せずに、車を運転したことで起きた痛ましい事故。漫画家のmoro(@moro000000)さんが知人家族に起きた事故を元に描いた漫画が、SNSで話題になりました。

作品には「赤ちゃんを車に乗せるときは、どんな状況でも絶対にチャイルドシートに座らせて!」というmoroさんの思いが込められています。

6歳未満の子どもを車に乗せる際は、チャイルドシートを使用することが2000年から義務化されており、道路交通法第71条にも記載されています。これは自動車の運転者の義務であり、違反した場合はドライバーに罰則が課せられます。

しかしチャイルドシートが絶対に必要な理由は、“法律で決まっているから”ではありません。大切な子どもの命を守るためです。この漫画を描くに至った経緯について、作者のmoroさんにお話を聞きました。

◆事故に遭ってから時間を戻すことはできない

――本当に、多くの方に読んでほしい漫画だと思います。moroさんがこの漫画をSNSで公開した理由を教えてください。

moroさん(以下、moro)「この漫画を描いたきっかけは、ツイッターのとあるつぶやきでした。『赤ちゃんを乗せて車で移動する時は、車内にお布団を敷いて赤ちゃんを寝かせて移動すると便利』と書いてあったんです。そのツイートは炎上して『チャイルドシート』がツイッターのトレンドに上がりました。該当のツイートはすでに削除されていますが、危険意識のなさにかなりの衝撃を受けました」

――漫画の中では、お知り合いの方がもらい事故(被害者側に一切の過失がない事故)で赤ちゃんを亡くされていました。

moro「とてもショッキングで痛ましい事故でした……。15年以上前の出来事ですが、今でも胸が痛みます。同乗していたご家族はニュースでは軽症と報道されていましたが、お母様自身もしばらく自力で歩くことができないほどお怪我をされていました。

お葬式でもずっと『ごめんなさい、ごめんなさい』と赤ちゃんに伝えていたと聞きました。とにかく後悔している……。『車に乗る時に時間を戻したい』と何度も何度も願ったと思うんです。お母様のお気持ちを思うと、心がしめつけられます。ツイートの件もあり、チャイルドシートを着用しないと本当に危険だよ! ということを伝えたくて漫画を描きました」

◆慣れた道でも短い距離でも「大丈夫」と思わないで

――チャイルドシートの着用が義務化されて20年以上経ちますが、着用していない方もまだまだ多いようです。

moro「はい。SNSのコメント欄にも、ママ友同士で相乗りをしてお出かけするときはチャイルドシートの数が足りないから、そのまま子どもを乗せているという声もありました。

実際に車を運転していると、明らかにチャイルドシートに座っていないなという子どもも目にします。前を走る車の中で動き回ったり、飛びはねたりしている子どもの姿が見えるんです。布団を敷いて移動をさせている人はいないと思いますが、チャイルドシートを着用させていない人の話もよく耳にします」

――慣れた道だったり、ちょっとした距離だから大丈夫という感覚になるのかもしれないですね。

moro「今まで無事故無違反だから大丈夫と思っていても、もらい事故を起こすこともあります。まさか相手が突っ込んでくるなんて想像できないですよね。もらい事故じゃないにしても、突然歩行者が飛び出してきて急ブレーキをかけることもあります。私も猫が道路に飛び出してきて、慌てて急ブレーキを踏んだことがあります」

◆乳幼児をチャイルドシートに乗せるのは本当に大変

――一方で赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるのは大変、という声も聞きます。

moro「その気持ちもわかります。チャイルドシートに乗るのを嫌がって泣き叫ぶ子も多いですよね。そうなると『かわいそうだから』とチャイルドシートから降ろして、同乗者が抱っこすることがあるかもしれません。でも、繰り返しになりますが、どんなに自分が注意しても、相手がぶつかってくることもあるんです」

――moroさんは、お子さんをチャイルドシートに乗せる時にどのような心がけをされていましたか?

moro「子どもが赤ちゃんの頃は、チャイルドシートに乗せると毎回号泣でした。でも、こればかりはどうしようもありません。子どもの命を守るために、泣こうが喚こうがチャイルドシートにはしっかり乗せていました。『かわいそう・どうしよう』と思う必要はない! とわりきっていました。これはお互いの試練だと。私もあなたの泣き声を聞きながらしっかり運転をするから、あなたもチャイルドシートに慣れてね! という心境です」

◆周りの大人が何を言っても、毅然とした態度で使用を

――お互いに慣れていくことが大事ですね。

moro「はい。あとは、子どもを車に乗せるときはお気に入りのDVDを見せたり、いろんなアイテムを使ったりしていました。

そして、他にも気をつけたいのが『第三者の声』です。実の両親や義理の両親などは、チャイルドシートを着用させないで子どもを車に乗せていた世代です。ですから、必ずチャイルドシートに乗せなくてはいけないという認識が薄い方が多い気がします。

実際にSNSでもフォロワーさんから、両親が『子どもが泣いてかわいそうだから』と抱っこをして車に乗ってしまう、といったコメントがたくさん届いていました」

――義理の両親に言われても、断固としてチャイルドシートを使う意思が必要ですね。

moro「夫の場合もよく聞きます。夫が運転をしている場合、チャイルドシートで子どもが泣き叫んでいると『気になって運転できないから、抱っこしてやって』と言う方もいるようです。いずれにしても法律違反ですし、何より本当に危ないのでやめてください。毅然とした態度でチャイルドシートに乗せることが大事です。広い世代の方に、チャイルドシートの大切さが伝わってほしいと思います」

――ショッキングな内容の漫画ですが、改めてチャイルドシートの大切さが伝わりました。

moro「子どもの命を守るのは自分だという気持ちで、今一度チャイルドシート着用について見直してほしいと思います」

警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が令和5年に調査した結果によると、チャイルドシートの全国平均の使用率は76.0%となっています。経年推移を見ると少しづつ上がって入るものの、まだまだチャイルドシートを使用していない方も多くいることがわかります。

また警察庁のサイトでは上記の数字とともに、チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約4.6倍というデータも示しています。「少しだけだから」という一瞬の気の緩みが、重大事故につながることがわかります。

自分だけは大丈夫と思わずに、子どもの命を守るのは自分という意識で、チャイルドシートの着用をおこなっていければと思います。

<取材・文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB

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