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親戚の結婚式で夫が放った“ありえない一言”に場が騒然「何も言うなとあれほど…」

女子SPA! 2025年1月31日 8時47分

「普段から無神経なことを言う人だとは思っていましたが、まさか結婚式であんな言葉を口にするなんて……。夫の人間性を疑いました」

 そう話すのは、藤堂よしこさん(仮名・41歳)。姪御さんの結婚式に招待された際、よしこさんの夫がデリカシーのかけらもない発言をしたことに激怒しているそう。

 傷つけてしまった姪の心をどう労わればいいのかと、よしこさんは2カ月が経った今も考え続けています。

◆無神経な発言を「冗談」と流せていたのは交際中だけ

 よしこさんは30代半ばのころ、マッチングアプリで知り合った信夫さん(仮名・43歳)と結婚しました。

「振り返れば付き合っているときから、なんでそんなことを言うんだろう? と思う発言が多かったです」

 ちょっとしたエピソードは枚挙にいとまがありません。よしこさんが「新しいピアスを買ったんだ~! どう?」と尋ねると、「重そう」と、真っ先にネガティブな感想。

 知人宅で生まれた赤ちゃんの写真を見せれば、「猿みたいだね」……。いつもそうした調子だったとか。

 交際中、よしこさんは「これも彼ならではの冗談」と思うようにして、「また手厳しいことを言ってるね(笑)」などと突っ込んでいたそう。

 ただし、そうしたプラスの解釈ができるのも恋愛中だからこそ。結婚して一緒に過ごす時間が長くなるにつれて、信夫さんの無神経な発言がどんどん気になるようになってしまったのです。

「相手の気持ちを考えられていない発言が目に余るばかりに、もしかしたら発達障害なのかも? と思い、本人に検査を勧めました。でも夫は『俺は違う』と、聞く耳を持ってくれませんでした」

◆夫のサポートを必死で考えることが馬鹿らしくなった

 本人に検査を受ける気がない以上、根本的な対応は不可能です。

 しかし、せめて妻である私は発達障害についての知識を得ておいたほうがいいのでは――。よしこさんはそう考え、図書館で発達障害に関する書籍を読み漁りました。

 こうした努力の甲斐も虚しく、状況は好転しないまま。次第によしこさんは、信夫さんを避けるようになっていきました。

「私自身、夫の独りよがりな発言に耐え切れなくなってしまって……。自分だけが頑張る義務はあるのだろうかと、学んだりサポートしたりすることをやめました。本人を連れて行けないなら意味がないと思ったので、専門医への相談もしないままでした」

 夫婦間の溝は決定的なものとなってしまいました。離婚が頭によぎりつつも、経済的な事情を前に踏みとどまったそうです。

 そんな折に届いたのが、姪(めい)からの結婚式の招待状。昔からかわいがってきた姪の幸せな報告に、よしこさんの心は明るくなりました。

「姪は生まれつき心臓が悪く、何度も入退院を繰り返してきたので、結婚式での晴れ姿を見られるのは本当にうれしかったです。夫と参列することへの不安はありましたが、せっかく2人あわせて招待してくれたのに水をさすのもと思い、そろって出席することにしました」

◆姪の結婚式で“ありえない”発言をした夫

 日常的に姪とLINEで連絡を取り合っていたよしこさん。結婚式の前には「ウエディングドレスを着ると手術の痕が見えるから、周りの反応が気になるんだよね」という相談も受けていました。

「そのため、夫にも姪の病名を共有して『手術の傷痕のことは何も言っちゃダメだよ』と、念を押していたんです」

 そして迎えた、結婚式当日。親族での集合写真を撮るとき、姪は綺麗な純白のドレスで登場。立派に成長した姿を見て、よしこさんの目は潤みました。

 感動もつかの間、予期せぬ事態が訪れてしまいます。

 夫婦で祝福の言葉を伝えに新婦のもとへ行くと、信夫さんは姪に「病気のこと、妻から聞きました」と謎の報告をし、「そういう病気があっても結婚できるんだね」と言ってのけたのです。

 これによって、姪の表情は一変。泣きそうな顔になり、「そういう言い方は、傷つく人がいると思いますよ」と、信夫さんに震えた声で告げました。

「場の雰囲気が一気に悪くなりました。夫に配慮をしてもらうために病気のことを話したのに、こんな事態を招いてしまうなんて……。姪にはもちろんですが、必死に怒りを抑える兄夫婦にも申し訳なさでいっぱいでした」

 よしこさんはすぐに謝りましたが、信夫さんは「俺まずいこと言った?」と、なにも分かっていない様子だったそう。

◆本人のためにも、まわりのためにも、早い相談が必要

 この事件を経て、よしこさんは専門家に信夫さんのことを相談。今は助言を受けつつ、夫に発達障害の検査を受けてもらえるよう、ふたたび働きかけています。

「無自覚に人を傷つけてしまう夫の悪癖は十分知っていました。私が“くさいものに蓋”をしてきたことで、姪にまで嫌な気持ちをさせてしまったのだと思いました。自分さえ我慢すればいい、なるべく避けて過ごせばいい……。それで済ませられる問題ではなかったのです」

 よしこさんは結婚式以後、“かわいい姪”と疎遠になってしまいました。どう声をかければいいのかわからず、連絡できないのだと話します。

 周囲以上に、当事者自身がもどかしい思いを抱えていることも多い発達障害。本人やその家族だけでどうにかしようとせず、専門家の力を借りることが大切です。

 よしこさんのケースのように、明確なきっかけがないとなかなか踏み切れないものですが、早めの対応こそが全員にいい結果をもたらすものでしょう。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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