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「太らないパンの食べ方」を、“パン中毒”だった保健師が教えます:1月に読みたい記事

女子SPA! 2025年1月16日 8時45分

「食べて痩せるダイエット専門家」の松田リエです。私自身が12キロ痩せた経験と、保健師の知識をもとに、著書『ずぼら瞬食ダイエット』やWeb、個別レッスンなどでダイエット法を発信しています。

今回は、「パンで太らないポイント」についてお伝えしていきます。(初公開日は2022年1月29日 記事は取材時の状況)

◆パンを食べても太らない“食べ方”はある

皆さんは「ご飯より、断然パン派!!」「ダイエットのために、パンをガマンしている…」「いつも、パンが無性に食べたくなる」なんてことありませんか?

パンって本当に美味しいですよね~。実は、私もパンが大好きです!

とはいえ、パンってたくさん食べると、太ってしまったり、腸内環境を悪化させてしまう…というのは、ご存知の方も多いかと思います。そして、「パンを食べすぎると良くない!ということは分かっているけど、どうしてもやめられない…」なんて方も、いるかもしれません。

しかし、パンを無理にやめなくても、パンを食べながら痩せられる工夫があるんです。今回は、パンが太りやすい理由、パンを食べても痩せる3つのポイントについてお伝えいたします。

◆私のパン中毒だった過去

過去ダイエッターだった頃の私は、パン中毒だったと言っても、過言ではありません。

元々、朝はいつもパンを食べる家庭で育ったので、朝ごはんと言えば、毎朝、食パンとカフェオレが定番。忙しい看護師時代や、専業主婦で一人ランチの時などは、お昼は手軽で美味しい、サンドイッチや菓子パンなどを食べることも多かったです。

そして、お気入りのパン屋さんに行くと、「あれもこれもおいしそう!」と、つい何個もパンを買ってしまった…なんてこともしょっちゅうでした。パン屋さんの香り・特に焼きたてパンの香りって、なんであんなに引き寄せらてしまうんですかね。

なんなら、夜も、お昼に買ったパンの残りを食べたり、外食でピザなどを食べる時もあったりして。思い返してみれば、3食パン!なんて日も、結構あったかもしれません。

こんな風に、完全にご飯よりパン派だった私は、もはや、毎日1回はパンを食べたい!と思うほど、パン中毒の状態でした。さらに困ったのが、私が好きなパンって、甘~い菓子パンや・こってりしたお惣菜系のパンなど、全然ヘルシーなパンではなかった…という点です。

特に好きだったのが、マーガリンとあんこをたっぷりのせた、小倉トースト!私の住んでいる東海地方では、結構メジャーなんですが、あなたは食べたことありますか?こってりしてて美味しいんですよね~。今思えば、こんなパン生活を送っていれば、やはり太ってしまうのも当然ですよね。

では、パンが太りやすいのはなぜなんでしょうか?パンって、こんなに無性に食べたくなってしまうんでしょうか?パンが太りやすい理由について、今から詳しくお話ししていきますね。

◆太りやすい理由1:糖×脂

人が太る原因の1つは『糖質のとりすぎ』だというのは、みなさんご存知ですよね。このことから、糖質が高いパンを食べ過ぎると、太ってしまう…というのは、多くの方が想像できることだと思います。

しかし、パンが太りやすいのは、これだけが原因ではありません。実は、太るもう1つの原因は、『糖×脂』の組み合わせなんです。

どういうことかと言うと、例えばご飯であれば、お米と水のみでできていますが、パンですと、糖質である小麦粉に加え、バター・マーガリン・ショートニングなど、脂が加わっていますよね。

そのため、パンというのは、糖質だけでなく、糖×脂の組み合わせであるため、ご飯よりも太りやすいんです。

私が大好きだった、あんことマーガリンたっぷりの小倉トーストなんて、糖×脂の最強タッグと言えるかもしれません。

いつかのCMで「おいしいものは糖と脂で出来ている!」なんてフレーズがありましたが、おいしいがゆえに、たくさん食べてしまうんですよね。

加えて、パンというのは、油だけでなく、砂糖・塩・添加物などが含まれている場合も多いので、さらに太りやすくなってしまったり、腸内環境を悪化させてしまうリスクまであるんです。

反対に、ご飯であれば、魚や納豆など、ヘルシーな献立を組みやすく、 食物繊維やセラミドなど、便秘解消や美肌に良い成分も含まれていますよ。パンがご飯より太りやすいのは、こういった理由もあるんですね。

◆太りやすい理由2:グルテン

「グルテン」って聞いたことがあるでしょうか?最近、健康志向の女性などに「グルテンフリー」って流行っていますよね?スーパーなどでも、小麦粉の代わりに米粉・おからパウダーなどを使用した食材なども、多く見かけるようになりました。

そもそも、グルテンとは何かと言うと、小麦粉に含まれる成分の1つで、粘りなどを出す特徴があります。

では、「グルテンフリー」が流行しているように、なぜグルテンが敬遠されるようになったのでしょうか?それはグルテンの特徴にあります。

実は、グルテンには、食欲を増進させる作用があると言われているんです。

こんな作用があるなら、過去の私がパン中毒になってしまったのも、納得ですよね。どうりでやめられないわけです。その上、パンの多くは、砂糖よりも血糖値を上昇させやすいです(参考:シドニー大学、GI値インデックス)。

さらにグルテンは、人の消化酵素で完全に分解されにくいため、体質によっては消化不良・便秘・下痢を引き起こす人がいる、と指摘する医師は多いです。

◆太りやすい理由3:トランス脂肪酸

「パンと言えばバター」というイメージを持つ人も多いかと思いますが、実は、パンには体に良くない油が使用されている場合も多いんです。

その体に良くない油というのは…「トランス脂肪酸」と呼ばれる油です。トランス脂肪酸は、天然のものと、油脂を工業的に加工するときにできるものがあります。

パンに使われることが多いのは、後者の人工的なものです。

トランス脂肪酸をとりすぎると、中性脂肪が増え・血流が悪くなり・代謝が落ちる原因になると言われているんです。他にも、悪玉コレステロールの増加、心血管疾患、糖尿病との関連が報告されています(「人間栄養における脂肪及び脂肪酸に関するFAO/WHO合同専門家会合」2010)。

◆安い市販のパンを買う時はチェック

こんなに危険なトランス脂肪酸ですが、なんと、日本では使用制限がなく、どれだけトランス脂肪酸が含まれているか分からない食品も多いんです。

さらにやっかいなのが、日本では表示義務がないため、原材料には「トランス脂肪酸」とは表示されていない場合が多いです。

ちなみにトランス脂肪酸が含まれているものは、マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド・植物性油脂などと記載されいるものが多いので、注意して原材料をチェックしてみてくださいね。

トランス脂肪酸は、バターを使うより安く品質を安定させやすいので、スーパーやコンビニに並ぶ安いパンに使用されている場合が多いです。

つまり、過去の私のように、安い市販のパンを、毎日のように食べていると、トランス脂肪酸をうっかりたくさんとってしまい、知らず知らずのうちに、どんどん代謝が悪い体を作りあげ、健康まで害してしまう可能性があるということです。

(編集部注:WHOは、トランス脂肪酸の摂取は総エネルギー量の1%未満にするべき、と勧告しています。厚生労働省によると日本人は平均0.3%とセーフの範囲ですが、摂りすぎないようにしましょう)

◆パンを食べても痩せるポイント

ここまで聞くと、「パンってそんなにダイエットに良くないんだ」とショックを受けたでしょうか。でも、「パンを食べないなんて考えられない!」なんて方も多いと思います。

そんな方のために、今から、パンを食べても痩せるポイントを伝えていきますね。

◆ポイント1:シンプルに食べる

過去の私と同じように、甘~いパンや、こってりしたお惣菜パンを食べすぎると、やはり太る原因になってしまいますよね。

そこでオススメな工夫は、「シンプルに食べる」という工夫です。この時、特にオススメなのがフランスパン!

なぜなら、フランスパンは、砂糖や、マーガリン、添加物が入っていないもの、入っていても一般的なパンよりは少ない場合が多いからです。

また、フランスパンって硬いので、噛む回数が増えて、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できますよ。

よく噛むことは、満腹感を感じやすくなる。血糖値の上昇をおさえる。食欲をおさえ、脂肪燃焼を促進する。顔痩せ効果まで期待できるんですよ。

◆ポイント2:「定食式」で食べる

美味しいパン屋さんなどに行くと、過去の私と同じように、ついあれもこれも♪と、色々な種類のパンをたくさん食べてしまって、パンだけで食事を済ませてしまうことってありませんか?

しかし、このようなパンの食べ方だと、どうしても糖質をとりすぎてしまったり、栄養バランスが悪くなってしまう可能性が高いですよね…。

そんな時にオススメなのが、パンを食べる時も、お米と同じように、主菜・副菜・汁物などを用意して、定食のように食べるという工夫です。

例えば、洋食の朝ごはんや、学校の給食をイメージしてください。こうすることで、栄養バランスが良くなり、食事の満足度もアップして、パンの食べ過ぎを防ぐことができます。

私の場合、パンは朝に食べることが多いので、主食:フランスパン、主菜:目玉焼き・豆乳・ヨーグルト、副菜:サラダ、汁物:野菜スープというように食べることが多いですよ。

サラダに、ツナ・チキン・サーモンなどをトッピングすれば、パンにも合いますし、タンパク質もしっかりとれるので、オススメです。

◆ポイント3:質を意識する

「白い食品は死んでいる」という言葉を、あなたは聞いたことがあるでしょうか?

白米より、玄米・雑穀米などの方が栄養があるように、パンも、精製された小麦粉の白いパンより、加工度の低い全粒粉のパンなどの方が、ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富でオススメです。

さらに、こういったパンは、白くて柔らかいパンに比べ、硬めの場合が多い。フランスパン同様、噛む回数を増やす効果も期待できますよ。

◆原材料チェックや手作りもおすすめ

他にも、原材料を確認して、先ほどお伝えしたような、トランス脂肪酸が入っていないパンを探してみるのも良いかもしれません。

手作りパンに比べると、市販の安いパンはどうしても質が低下しやすいので、原材料にこだわったパン屋さんを探してみたり、ホームベーカリーなどで手作りしてみるのも楽しいかもしれませんね。

ガマンガマン!と思うと、何事も続かないものですよね…。反対に、食べても良いと思えると、ダイエットも続けやすいと思いませんか?

私も、大好きだったパンを禁止するのではなく、今回お伝えしたポイントを意識することで、今でもパンを適度に楽しんでいますよ。

あなたも、無理にガマンするのではなく、美味しく・楽しく・工夫しながら、ダイエットしてみてくださいね。

<文/松田リエ>

【松田リエ】
看護師・保健師・食事管理ダイエット講師BelleLus株式会社代表取締役。Belle Life Style協会代表理事。
1986年生まれ、三重県在住。看護師としてがん患者の周術期のケアを担当後、保健師の資格を取得し、糖尿病の人などへの保健指導(食事・運動)に従事した。自身も53キロ→41キロにやせ、2016年、食事管理ダイエット講師として起業。ダイエット受講生2000名以上、ダイエットサポーター養成講座受講生600名以上の規模まで成長している。2児のママ。新刊『食べるほどやせる! ずぼら缶詰ダイエット』が発売中。他の著書に『ずぼらやせ! 瞬食ダイエット つくりおき&スピード10分おかず152』『コストコ瞬食ダイエット-運動ゼロで、食べてやせる。』『1日1杯でデブ味覚をリセット! やせ調味料ダイエット』など。Youtube公式ブログ

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