女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は20219年1月27日 記事は取材時の状況)
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バンドマンや俳優など夢を追う職業の男性が、人気が出た後に、売れていない時代を支えてくれた糟糠(そうこう)の妻や彼女がいるにもかかわらず、別の女性と不倫・浮気する残念な話をよく耳にします。
こういった話は芸能人だけかと思いきや、一般人でも起きるようで…。しかも意外な方向に向かったという経験者の話を聞いてみました。
斉藤真希さん(仮名・34歳・弁当屋パート)の夫(Sさん・42歳)は漫画家をしていますが、売れていないため生活はカツカツです。
「夫は、サブカル誌で読者投稿を漫画にしたり、芸能ネタ漫画を描いているのですが…仕事が少ないので私がパートに出てなんとかやっていける感じでしたね」
幸いパート先のお弁当が半額で買えたので、そればかりを食べて暮らしていたのですが…。
◆夫のマンガがTwitterでバズって仕事が増えたけれど…
ある日、夫のSさんがツイッターにアップした漫画が、プチバズって評判に。そのシリーズを次々とアップしていたら、ちょこちょこ仕事の依頼が舞い込んできたそう。
「元々Sはギャグ漫画家を目指していたので、相当喜んでいましたね。そして、私はちょうどパート先の人間関係でもめていたので…収入が増えた勢いで辞めちゃったんですよ。もうあそこの弁当は見るのも嫌ですね~」
ですが、順調に仕事が増えているのにSさんは、浮かない顔をしてため息ばかりついています。
「急に忙しくなって体調でも崩したのかな?と思い聞いてみると…深刻な顔で『話がある』と言われたんです」
実は、自分のホームページ宛に「ファンです」とメールをくれたフリーターの女の子と、昨年から不倫しているんだと告白するSさん。
「はっ? って感じで…怒るというより、こんな地味で真面目なSが不倫? という驚きの方が強かったですね」
ですが、告白はこれだけではなく…。
◆不倫相手の協力のおかげでマンガを描くことが出来ていた夫
「『プチバズッた例のツイッター漫画、実は彼女がネタを考えてくれてるんだ』って言われて…これはさすがにショックでしたね。お前の実力じゃなかったのかよ!と思わず突っ込んでしまいました」
さらに告白は続き、その彼女が「これからもネタを考えて欲しかったら、私の部屋に引っ越してきて。じゃないともう一切ネタをあげない」と、ごねているとSさんは泣きそうな顔をして言ってきたそう。
「しかも私に『どうしよう?』って聞いてきたんですよ。知らねーよ! と思いましたし、泣きたいのはこっちだという気持ちと、まず不倫なんかして謝れよ! とか…色んな感情がごちゃまぜになってパニックになりましたね」
あまりの事に「2、3日考えさせて」と家を飛び出し、学生時代からの親友の家に泊めてもらった真希さんは、親友に寝ないで話を聞いてもらって多少落ち着きを取り戻し、家に戻るとSさんと話し合いに。
◆離婚はしたくないが別居したいという夫の提案
「Sは『こんな事になって申し訳なく思っているけど…漫画家として、彼女の力を借りてでももっと売れてみたいんだ』と本音をぶつけてきました」
とりあえず、彼女の部屋に引っ越して仕事を頑張りながら…今住んでるアパートの家賃+生活費5万払うから、別居して様子を見ないか?と提案された真希さん。
「てっきり、もう離婚したいのかな? と思っていたら…苦労を共にしてきた私と別れるのは嫌なんだって言うんですよ。不倫してるくせに」
不倫されて、もちろん良い気はしませんが…そうはいっても結婚生活10年目にもなると、ハッキリ言って夫にトキメキのような感情はもう無いという真希さん。
それよりも売れない漫画家としてのツラい下積み生活を見てきたので…人の力を借りてでも上手くいって欲しいという気持ちの方が大きく、その提案を受け入れたそう。
「ひょんな事から始まった1人暮らしですが…思っていた以上に快適で(笑)彼女にもっと面白いネタを考えてもらって、私の生活費増やしてくれないかな?なんて思ったりしてます」
最近、真希さんはおしゃれなパン屋でアルバイトを始め、新しい生活を楽しんでいるそうです。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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バンドマンや俳優など夢を追う職業の男性が、人気が出た後に、売れていない時代を支えてくれた糟糠(そうこう)の妻や彼女がいるにもかかわらず、別の女性と不倫・浮気する残念な話をよく耳にします。
こういった話は芸能人だけかと思いきや、一般人でも起きるようで…。しかも意外な方向に向かったという経験者の話を聞いてみました。
斉藤真希さん(仮名・34歳・弁当屋パート)の夫(Sさん・42歳)は漫画家をしていますが、売れていないため生活はカツカツです。
「夫は、サブカル誌で読者投稿を漫画にしたり、芸能ネタ漫画を描いているのですが…仕事が少ないので私がパートに出てなんとかやっていける感じでしたね」
幸いパート先のお弁当が半額で買えたので、そればかりを食べて暮らしていたのですが…。
◆夫のマンガがTwitterでバズって仕事が増えたけれど…
ある日、夫のSさんがツイッターにアップした漫画が、プチバズって評判に。そのシリーズを次々とアップしていたら、ちょこちょこ仕事の依頼が舞い込んできたそう。
「元々Sはギャグ漫画家を目指していたので、相当喜んでいましたね。そして、私はちょうどパート先の人間関係でもめていたので…収入が増えた勢いで辞めちゃったんですよ。もうあそこの弁当は見るのも嫌ですね~」
ですが、順調に仕事が増えているのにSさんは、浮かない顔をしてため息ばかりついています。
「急に忙しくなって体調でも崩したのかな?と思い聞いてみると…深刻な顔で『話がある』と言われたんです」
実は、自分のホームページ宛に「ファンです」とメールをくれたフリーターの女の子と、昨年から不倫しているんだと告白するSさん。
「はっ? って感じで…怒るというより、こんな地味で真面目なSが不倫? という驚きの方が強かったですね」
ですが、告白はこれだけではなく…。
◆不倫相手の協力のおかげでマンガを描くことが出来ていた夫
「『プチバズッた例のツイッター漫画、実は彼女がネタを考えてくれてるんだ』って言われて…これはさすがにショックでしたね。お前の実力じゃなかったのかよ!と思わず突っ込んでしまいました」
さらに告白は続き、その彼女が「これからもネタを考えて欲しかったら、私の部屋に引っ越してきて。じゃないともう一切ネタをあげない」と、ごねているとSさんは泣きそうな顔をして言ってきたそう。
「しかも私に『どうしよう?』って聞いてきたんですよ。知らねーよ! と思いましたし、泣きたいのはこっちだという気持ちと、まず不倫なんかして謝れよ! とか…色んな感情がごちゃまぜになってパニックになりましたね」
あまりの事に「2、3日考えさせて」と家を飛び出し、学生時代からの親友の家に泊めてもらった真希さんは、親友に寝ないで話を聞いてもらって多少落ち着きを取り戻し、家に戻るとSさんと話し合いに。
◆離婚はしたくないが別居したいという夫の提案
「Sは『こんな事になって申し訳なく思っているけど…漫画家として、彼女の力を借りてでももっと売れてみたいんだ』と本音をぶつけてきました」
とりあえず、彼女の部屋に引っ越して仕事を頑張りながら…今住んでるアパートの家賃+生活費5万払うから、別居して様子を見ないか?と提案された真希さん。
「てっきり、もう離婚したいのかな? と思っていたら…苦労を共にしてきた私と別れるのは嫌なんだって言うんですよ。不倫してるくせに」
不倫されて、もちろん良い気はしませんが…そうはいっても結婚生活10年目にもなると、ハッキリ言って夫にトキメキのような感情はもう無いという真希さん。
それよりも売れない漫画家としてのツラい下積み生活を見てきたので…人の力を借りてでも上手くいって欲しいという気持ちの方が大きく、その提案を受け入れたそう。
「ひょんな事から始まった1人暮らしですが…思っていた以上に快適で(笑)彼女にもっと面白いネタを考えてもらって、私の生活費増やしてくれないかな?なんて思ったりしてます」
最近、真希さんはおしゃれなパン屋でアルバイトを始め、新しい生活を楽しんでいるそうです。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop