女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「義実家・家族」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年1月26日 記事は取材時の状況)
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東京のように冬場でも雪があまり降らない場所に住んでいる子供にとって、一面銀世界の雪景色はそれだけでも心が躍るものです。
なかには「子供に雪を見せてあげたい」という理由で雪国への旅行や帰省をしたりする人もいるのではないでしょうか?
◆子供に雪を見せようと、北海道の実家に帰省
北海道出身の石井恵子さん(仮名/マーケティングリサーチ会社)は一昨年の年末年始を利用して、夫と5歳と4歳、2人の男の子を連れて帰省。冬場に実家に戻るのは、子供が生まれてからはこれが初めてでした。
「上の子が『ママ、雪が見たい!』とずっとねだっていたんです。ちょうど主人も私も長めの休みが取れたこともあり、北海道でのんびり過ごそうと思っていました」
2人の子供は雪に大はしゃぎ。家の前で雪だるまを作ったり、スキー場でソリで滑るなど毎日雪遊びを存分に楽しんでいました。
「ウチの両親や実家近くに住む兄夫婦が子供の面倒を見てくれてたので、夫と映画を観に行ったりと、つかの間でしたが夫婦2人で過ごすこともできました。ただ、いつもと違って周囲に頼れる状況でしたし、身内だったこともあってつい甘えてしまったんです」
年が明けて数日経ったある日、実家で夫と両親と昼間からお酒を飲みながらまったり過ごしていた恵子さん。子供たちはヒマさえあれば実家の前で雪遊びをしていおり、この日も「お外に行ってくれるね!」と言って家を出た子供を勝手に遊ばせていたとか。
◆外に遊びに行ったまま戻ってこない子供たち
「家の前は田舎の農道で車もほとんど通らないし、帰省後も2人で何度も遊んでいたので大丈夫だろうと思っていたんです」
しかし、それまでは20分もしたら家に戻ってきた子供たちが30分経っても帰って来なかったといいます。
「主人がふと思い出したように『子供たちはまだ外か?』と言ったんです。確かに、ちょっと遅いし、心配になって様子を見に外に出たんです」
ところが、自宅前に子供たちの姿はまったく見えませんでした。このとき外は吹雪になっており、アルコールが入って上機嫌だった恵子さんの酔いもさすがに醒めてしまいます。
「ひょっとしたら庭で遊んでいるかもと思い、そっちに回り込んでみたんです。そしたら子供たちが2人とも雪だまりに腰から下が埋まっており、自分で出ることもできずに身動きが取れないでいました。さすがにあれは焦りました」
驚きのあまり、息子2人の名前を叫びながら子供たちのもとに駆け寄った恵子さん。積もっていたのは新雪のため、大人である恵子さんも足を取られそうになるほどだったそうです。
◆雪だまりにうまっていた子供を火事場のクソ力で救出!
「最初に下の子を抱きかかえるように雪だまりから引き抜き、続いて上の子も同じように救出しました。私は小柄で力もないため、普段は子供たちを持ち上げるのも一苦労だったんですけど、このときは必死でまったく重たいとかは感じませんでした。きっと火事場のクソ力だったんでしょうね」
すぐに家の中に連れ戻しましたが、長い間うまっていたらしく子供たちのくちびるは真っ青。冷えた身体を温めようとストーブの前に座らせてココアを飲ませ、すぐにお風呂にも入れたため、すっかり回復。心配していた風邪も引かなかったといいます。
でも、気になるは子供たちがなぜ雪だまりにうまっていたのかという点。これについて上の子は「雪の上に飛んだらそのままハマって動けなくなったの」と話していたとか。
「実は、除雪したものを庭の隅っこに寄せて小さな山になっていて、子供たちはそこからジャンプしていたみたいです。そもそも私たち大人が目を離したのが悪いのですが、実家の庭で凍死とかシャレにならない事態にならずに済んで本当によかったです」
帰省先だと子供のことも含め、つい気が緩んでしまいがち。だからこそ気をつけたほうがいいかもしれませんね。
<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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東京のように冬場でも雪があまり降らない場所に住んでいる子供にとって、一面銀世界の雪景色はそれだけでも心が躍るものです。
なかには「子供に雪を見せてあげたい」という理由で雪国への旅行や帰省をしたりする人もいるのではないでしょうか?
◆子供に雪を見せようと、北海道の実家に帰省
北海道出身の石井恵子さん(仮名/マーケティングリサーチ会社)は一昨年の年末年始を利用して、夫と5歳と4歳、2人の男の子を連れて帰省。冬場に実家に戻るのは、子供が生まれてからはこれが初めてでした。
「上の子が『ママ、雪が見たい!』とずっとねだっていたんです。ちょうど主人も私も長めの休みが取れたこともあり、北海道でのんびり過ごそうと思っていました」
2人の子供は雪に大はしゃぎ。家の前で雪だるまを作ったり、スキー場でソリで滑るなど毎日雪遊びを存分に楽しんでいました。
「ウチの両親や実家近くに住む兄夫婦が子供の面倒を見てくれてたので、夫と映画を観に行ったりと、つかの間でしたが夫婦2人で過ごすこともできました。ただ、いつもと違って周囲に頼れる状況でしたし、身内だったこともあってつい甘えてしまったんです」
年が明けて数日経ったある日、実家で夫と両親と昼間からお酒を飲みながらまったり過ごしていた恵子さん。子供たちはヒマさえあれば実家の前で雪遊びをしていおり、この日も「お外に行ってくれるね!」と言って家を出た子供を勝手に遊ばせていたとか。
◆外に遊びに行ったまま戻ってこない子供たち
「家の前は田舎の農道で車もほとんど通らないし、帰省後も2人で何度も遊んでいたので大丈夫だろうと思っていたんです」
しかし、それまでは20分もしたら家に戻ってきた子供たちが30分経っても帰って来なかったといいます。
「主人がふと思い出したように『子供たちはまだ外か?』と言ったんです。確かに、ちょっと遅いし、心配になって様子を見に外に出たんです」
ところが、自宅前に子供たちの姿はまったく見えませんでした。このとき外は吹雪になっており、アルコールが入って上機嫌だった恵子さんの酔いもさすがに醒めてしまいます。
「ひょっとしたら庭で遊んでいるかもと思い、そっちに回り込んでみたんです。そしたら子供たちが2人とも雪だまりに腰から下が埋まっており、自分で出ることもできずに身動きが取れないでいました。さすがにあれは焦りました」
驚きのあまり、息子2人の名前を叫びながら子供たちのもとに駆け寄った恵子さん。積もっていたのは新雪のため、大人である恵子さんも足を取られそうになるほどだったそうです。
◆雪だまりにうまっていた子供を火事場のクソ力で救出!
「最初に下の子を抱きかかえるように雪だまりから引き抜き、続いて上の子も同じように救出しました。私は小柄で力もないため、普段は子供たちを持ち上げるのも一苦労だったんですけど、このときは必死でまったく重たいとかは感じませんでした。きっと火事場のクソ力だったんでしょうね」
すぐに家の中に連れ戻しましたが、長い間うまっていたらしく子供たちのくちびるは真っ青。冷えた身体を温めようとストーブの前に座らせてココアを飲ませ、すぐにお風呂にも入れたため、すっかり回復。心配していた風邪も引かなかったといいます。
でも、気になるは子供たちがなぜ雪だまりにうまっていたのかという点。これについて上の子は「雪の上に飛んだらそのままハマって動けなくなったの」と話していたとか。
「実は、除雪したものを庭の隅っこに寄せて小さな山になっていて、子供たちはそこからジャンプしていたみたいです。そもそも私たち大人が目を離したのが悪いのですが、実家の庭で凍死とかシャレにならない事態にならずに済んで本当によかったです」
帰省先だと子供のことも含め、つい気が緩んでしまいがち。だからこそ気をつけたほうがいいかもしれませんね。
<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。