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“まさかの父親”を持つ21歳俳優に期待膨らむ。出自も「自分の一部」と言えるスゴさ

女子SPA! 2025年1月27日 8時47分

 2024年は、沢村一樹の長男である野村康太を最大の出世頭として、二世俳優が大躍進する黄金期だったと思う。

 その中で年の瀬、ABEMA TIMESのインタビューに答え、令和の二世俳優としての心構えを示したのが、谷原章介を父にもつ谷原七音である。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、俳優デビューに期待を込めて谷原七音を解説する。

◆若手俳優の活路はどこに?

 今の時代、デビューまもない新人俳優が活路を見いだすべき場所はどこにあるのだろう?『仮面ライダーW』(テレビ朝日、2009~2010年)の菅田将暉や『仮面ライダービルド』(テレビ朝日、2017~2018年)の赤楚衛二などが出演したライダー作品は、未だ新人俳優のための初等教育的な役割を担っている。

 初代ライダー俳優である藤岡弘の長男・藤岡真威人は、セガによるオリジナルキャラクターシリーズ「せが四郎」シリーズで俳優デビュー。主演ドラマ『ウイングマン』(テレビ東京、2024年)では、特撮ヒーローに憧れる主人公を演じた。最近では北大路欣也主演の『三屋清左衛門残日録』(日本映画専門チャンネル、2024年)で若侍を演じている。

 SNSから注目を集めた駒木根葵汰も新春放送の『新・暴れん坊将軍』(テレビ朝日)で松平健演じる徳川吉宗の次男を演じた。若手俳優の活路は意外と時代劇がトレンドなのかしら。駒木根が新原泰佑とW主演した『25時、赤坂で』(テレビ東京、2024年)や『パーフェクトプロポーズ』(フジテレビ、2024年)の野村康太など、民放、配信オリジナル問わずBLドラマも新人が腕を試す試金石。あるいは、駒木根や高橋文哉を輩出した恋愛リアリティ番組『オオカミ』シリーズ(ABEMA)も活路としては今や定番か。

◆デビュー目前ほやほやの新人

 ABEMAに限らず、各配信プラットフォームが競って新たなコンセプトの番組を制作している。それくらい恋愛リアリティ番組は飽和状態にある。ABEMA配信の『シャッフルアイランド』や『LOVE CATCHER Japan』など、手をかえ品をかえ、思いつき的な発想勝負の番組が量産されている。

 そのABEMAによる情報サイトABEMA TIMESで注目のインタビュー記事が掲載されていたのが気になった。取材対象者は、メディア初インタビューに臨んだ谷原七音。第37回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞を受賞した、デビュー目前ほやほやの新人である。

 同コンテスト審査中から、谷原七音は話題の人だった。谷原姓について、自分は谷原章介の息子であることを明かしていたからである。ABEMAインタビューでは、谷原章介の息子であることになんの葛藤もみいださず、「僕はそれも含めて自分の一部かなと捉えている」と臆することなく答えている。

◆谷原七音の度量

 いしだ壱成が実父だという出自を隠すこともない。目標とする俳優は、ジュノン出場経験がある菅田将暉だと答えているが、好きな作品は、『未成年』(TBS、1995年)。

 同作は、いしだ壱成と谷原章介が兄弟役を演じた、谷原七音にとっての父共演ドラマである。ふたりの息子として父たちのドラマに対して自然と好意を抱ける心根の人。二世俳優が七光りだとされることが多いが、谷原七音の場合はむしろ「生まれも僕はアイデンティティー」だと潔く捉えている。

 若干21歳の新人とは思えない度量ではないだろうか。そもそもジュノンコンテストには谷原章介に相談せず応募していたという。出場理由には「客観的にみた自分の注目度だけが一人歩きしてしまうと感じ、自分自身が成長しなくてはこの先何年も生き残っていけないと思ったから」と明記するくらいである。

◆俳優デビュー作は?

 過去には三浦翔平が受賞したフォトジェニック賞を手にして、本格的に俳優デビューの晴れ舞台を見定めている。ABEMAインタビュー記事が掲載された時点(2024年12月21日)では、まだ所属事務所が決まっていないと書かれている。

 それはすぐに決まると思うのだが、肝心なのは俳優デビュー作である。ABEMAメディアでインタビューを受けたということは、とりあえず恋愛リアリティ番組に出演するのか。

 演技を見たことがないから、彼が演劇向きなのか映像向きなのか、映像向きなら映画的かドラマ的か、これは未知数である。ならば、恋愛リアリティ番組は手堅いのか……。いや、でもこれだけの度量の人である谷原七音は、ライダーでも時代劇でもBLでもない、トレンドに拘泥することのない新たな場所に活路を見いだしてくれよと勝手に思ったりする。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu

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