食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています
2025年に入り、私たちを驚かすような大きなニュースが続いていtます。その一つが、スーパーマーケット「西友」の売却問題ではないでしょうか。
◆イオンとドンキが買収に名乗り。ショックの声も
西友の株主は、85%がKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(以下、KKR)というアメリカの投資ファンドであり、15%が世界最大の小売企業であるWalmart Inc.(ウォルマート・インク)という構成になっています。
今回はKKRが株式売却を検討していて、すでに入札手続きがはじまり、イオンやパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、ドン・キホーテを運営)などが手を挙げている状況のようです。
つまり、西友がイオンやドンキに買収されて、お店自体が消滅してしまう可能性もあるということ。この状況に対してX上では、プライベートブランド(以下、PB)の「みなさまのお墨付きがなくなったら悲しい」「残してほしい」という声が一部で広がっているのです。
そして先日、さらなる追い打ちが……。楽天が運営するネットスーパー「楽天マート」が、西友PB商品の取り扱いを終了するというものでした。これにもショックを受けた人は少なくないかもしれません。
◆アピール下手!?「みなさまのお墨付き」の知られざる名品とは?
西友と言えば、1980年に「無印良品」を作り出した生みの親。つまりPB開発の先駆者でもあり、無印の功績を持ちながら、2012年に「みなさまのお墨付き」が登場したのです。
最近の西友は、“ただ安いだけ”というイメージを抱いている人がいるかもしれませんが、スーパーマーケット研究家として、はじめに断言させていただきたい!
みなさまのお墨付きは、これまでさまざまな進化や改良がありながらも、他スーパーには真似できないレベルの“こだわり”が込められているということ。一般消費者の声を反映した商品開発は、ドンキよりもずっとずっと前から実行しているということ。
しかしながら、それがうまく伝わっておらず、まだまだ知られていない隠れた名品であふれているのかも……。あー、歯がゆい!
西友がどうなってしまうかはわかりませんが、今回は、今のうちに知っておいた方が良いかもしれないという思いを込めて、「西友PBの知られざる名品」を厳選してご紹介してみたいと思います。
◆①スーパーPBでは断トツの味!ミックスナッツ
●黒トリュフ塩 ナッツミックス 70g(個包装込)517円
●ブルーチーズ味 ナッツミックス 64g(個包装込)517円
スーパーPB商品の定番になりつつあるのが、「ナッツ商品」。お客の心をつかもうと各社がしのぎを削る中、西友のミックスナッツはとにかく秀逸なのです。特にオススメできるのが、「ブルーチーズ味 ナッツミックス 64g(個包装込)」。ナッツ自体のおいしさはもちろんのこと、程よい塩味にブルーチーズの風味の調合感がすばらしいのです。食べきりサイズの個包装である点は、消費者の声を細かく聞いている証でしょう。
◆②まるでデパ地下スイーツ!ご褒美しみこみショコラシリーズ
●ご褒美しみこみショコラ<メロン&ホワイトチョコレート>28g 388円
●ご褒美しみこみショコラ<林檎&ホワイトチョコレート>28g 388円
ドライ苺をチョコでコーティングした商品はよく見かけるようになりましたが、西友では苺の他にも林檎やメロンまで。しかもホワイトチョコをコーティングさせるのではなく、フルーツの中に染み込ませているのです。
実際に食べてみると、まるでデパ地下スイーツ店で買うような本格感を味わえるでしょう。昨春から登場している商品ですが、まだまだこちらも知られていないのかも。バレンタインに向けて自分用に買ってみるのもオススメです。
◆③カレー愛好家にもファンが!こだわりレトルトカレーシリーズ
●青唐辛子と粗挽き黒胡椒の辛さ ペッパーフライカレー 180g 388円
●国産鶏手羽を使った クリーミーバターチキンカレー 200g 431円
●角切り牛肉を使った スパイシー欧風カレー 200g 431円
続いては、こちらもスーパーPBでは定番商品になっているレトルトカレー。2024年10月に新発売された本格レトルトカレーシリーズ3品は、担当者が100種類以上のレトルトカレーを食べ比べ、具材感と本格ルーを追求しながら、コスパ感に妥協せずに完成させたという渾身の商品です。
ライバルはズバリ専門店のカレーであり、レトルトカレーの固定概念を打ち破るレベルにまで到達しています。このハイレベル感は、カレー愛好家からも太鼓判を押されているほど。外食で食べることを考えると価格は半額以下であり、虜になる人は出てくるはずです。
◆④エスニック系の宝庫!本場テイストの味が5分で味わえる
●フライパンで約5分でできるチャプチェ 3人前 215円
●On the ごはん ラクサ 145g 270円
西友と言えば、10年ほど前にマッサマンカレーのブームに一役買った実績があります。
当時から知られざるエスニック料理に注目し、手頃でおいしい商品づくりをし続ける企業姿勢を貫いてきている点には脱帽するものがありますが、まだチャレンジしたことのない方にオススメなのが、「On the ごはん ラクサ」。
濃厚なエビ感とココナッツミルクのコクが合わさり、個人的には自宅に必ずストックしておきたいアイテムの一つになっています。エスニック系に強いと言えば、無印。
冒頭でお伝えした通り、無印はもともと西友が親だったわけで、着眼点や開発センスに共通点を感じてしまうところがあります。そして実は、“エビ”を使った商品でもう一つ大ヒット商品があります。それは、「鍋つゆ 海老だしの深いコク 海老みそ 580g(290円)」。エスニックに強く、エビにも強い。そう言い切りたくなるほど確かな名品が、西友にはそろっているのです。
西友がどうなってしまうか、近いうちに結論が出そうですが、気になる商品があれば、今のうちにしっかり楽しんでおいたほうが良いかもしれません。動向が気になるところです!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
2025年に入り、私たちを驚かすような大きなニュースが続いていtます。その一つが、スーパーマーケット「西友」の売却問題ではないでしょうか。
◆イオンとドンキが買収に名乗り。ショックの声も
西友の株主は、85%がKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(以下、KKR)というアメリカの投資ファンドであり、15%が世界最大の小売企業であるWalmart Inc.(ウォルマート・インク)という構成になっています。
今回はKKRが株式売却を検討していて、すでに入札手続きがはじまり、イオンやパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、ドン・キホーテを運営)などが手を挙げている状況のようです。
つまり、西友がイオンやドンキに買収されて、お店自体が消滅してしまう可能性もあるということ。この状況に対してX上では、プライベートブランド(以下、PB)の「みなさまのお墨付きがなくなったら悲しい」「残してほしい」という声が一部で広がっているのです。
そして先日、さらなる追い打ちが……。楽天が運営するネットスーパー「楽天マート」が、西友PB商品の取り扱いを終了するというものでした。これにもショックを受けた人は少なくないかもしれません。
◆アピール下手!?「みなさまのお墨付き」の知られざる名品とは?
西友と言えば、1980年に「無印良品」を作り出した生みの親。つまりPB開発の先駆者でもあり、無印の功績を持ちながら、2012年に「みなさまのお墨付き」が登場したのです。
最近の西友は、“ただ安いだけ”というイメージを抱いている人がいるかもしれませんが、スーパーマーケット研究家として、はじめに断言させていただきたい!
みなさまのお墨付きは、これまでさまざまな進化や改良がありながらも、他スーパーには真似できないレベルの“こだわり”が込められているということ。一般消費者の声を反映した商品開発は、ドンキよりもずっとずっと前から実行しているということ。
しかしながら、それがうまく伝わっておらず、まだまだ知られていない隠れた名品であふれているのかも……。あー、歯がゆい!
西友がどうなってしまうかはわかりませんが、今回は、今のうちに知っておいた方が良いかもしれないという思いを込めて、「西友PBの知られざる名品」を厳選してご紹介してみたいと思います。
◆①スーパーPBでは断トツの味!ミックスナッツ
●黒トリュフ塩 ナッツミックス 70g(個包装込)517円
●ブルーチーズ味 ナッツミックス 64g(個包装込)517円
スーパーPB商品の定番になりつつあるのが、「ナッツ商品」。お客の心をつかもうと各社がしのぎを削る中、西友のミックスナッツはとにかく秀逸なのです。特にオススメできるのが、「ブルーチーズ味 ナッツミックス 64g(個包装込)」。ナッツ自体のおいしさはもちろんのこと、程よい塩味にブルーチーズの風味の調合感がすばらしいのです。食べきりサイズの個包装である点は、消費者の声を細かく聞いている証でしょう。
◆②まるでデパ地下スイーツ!ご褒美しみこみショコラシリーズ
●ご褒美しみこみショコラ<メロン&ホワイトチョコレート>28g 388円
●ご褒美しみこみショコラ<林檎&ホワイトチョコレート>28g 388円
ドライ苺をチョコでコーティングした商品はよく見かけるようになりましたが、西友では苺の他にも林檎やメロンまで。しかもホワイトチョコをコーティングさせるのではなく、フルーツの中に染み込ませているのです。
実際に食べてみると、まるでデパ地下スイーツ店で買うような本格感を味わえるでしょう。昨春から登場している商品ですが、まだまだこちらも知られていないのかも。バレンタインに向けて自分用に買ってみるのもオススメです。
◆③カレー愛好家にもファンが!こだわりレトルトカレーシリーズ
●青唐辛子と粗挽き黒胡椒の辛さ ペッパーフライカレー 180g 388円
●国産鶏手羽を使った クリーミーバターチキンカレー 200g 431円
●角切り牛肉を使った スパイシー欧風カレー 200g 431円
続いては、こちらもスーパーPBでは定番商品になっているレトルトカレー。2024年10月に新発売された本格レトルトカレーシリーズ3品は、担当者が100種類以上のレトルトカレーを食べ比べ、具材感と本格ルーを追求しながら、コスパ感に妥協せずに完成させたという渾身の商品です。
ライバルはズバリ専門店のカレーであり、レトルトカレーの固定概念を打ち破るレベルにまで到達しています。このハイレベル感は、カレー愛好家からも太鼓判を押されているほど。外食で食べることを考えると価格は半額以下であり、虜になる人は出てくるはずです。
◆④エスニック系の宝庫!本場テイストの味が5分で味わえる
●フライパンで約5分でできるチャプチェ 3人前 215円
●On the ごはん ラクサ 145g 270円
西友と言えば、10年ほど前にマッサマンカレーのブームに一役買った実績があります。
当時から知られざるエスニック料理に注目し、手頃でおいしい商品づくりをし続ける企業姿勢を貫いてきている点には脱帽するものがありますが、まだチャレンジしたことのない方にオススメなのが、「On the ごはん ラクサ」。
濃厚なエビ感とココナッツミルクのコクが合わさり、個人的には自宅に必ずストックしておきたいアイテムの一つになっています。エスニック系に強いと言えば、無印。
冒頭でお伝えした通り、無印はもともと西友が親だったわけで、着眼点や開発センスに共通点を感じてしまうところがあります。そして実は、“エビ”を使った商品でもう一つ大ヒット商品があります。それは、「鍋つゆ 海老だしの深いコク 海老みそ 580g(290円)」。エスニックに強く、エビにも強い。そう言い切りたくなるほど確かな名品が、西友にはそろっているのです。
西友がどうなってしまうか、近いうちに結論が出そうですが、気になる商品があれば、今のうちにしっかり楽しんでおいたほうが良いかもしれません。動向が気になるところです!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12