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カット野菜ってアリ?「キャベツ1玉500円超え」「野菜高騰」を賢く乗り切るには

女子SPA! 2025年1月29日 8時46分

 野菜高騰の対策は?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 キャベツが1玉500円を超える状況が続いています。先日、都内スーパーの安売りでも378円。うーん、高い! 原因は天候不順や気候変動によるものと言われていますが、今後も同様なことがいつ起こってもおかしくはありません。

 さらに冷静に見ていくと光熱費や運搬費の上昇などにより食料品は全方位的に値上げとなり、2024年1~8月のエンゲル係数(家族の総支出のうち食物のための支出が占める割合)は28%(2人以上の世帯)まで上昇しています。これは由々しき事態です……。

 話を野菜に戻しましょう。価格高騰はしているものの、現代人の野菜不足は深刻です。少しでも出費を抑えながら野菜を賢く購入できないものでしょうか? そこで今回はそんな願いに応えたいという思いで、最近のスーパーマーケットを見渡して思いつきました。

 それは、野菜を購入するときに、どんなものを買えばコスパが良いのでしょうか? カット野菜や冷凍野菜は? 最近よく見かけるミールキット(食材とレシピがセットになった調理キット)はお得なの? そんなみなさんが気になっている便利野菜商品のメリットや心配事を、わかりやすく整理していこうと思います。

 少しでもヒントを発見してもらえたらうれしく思います。

◆最近のカット野菜はコスパ&タイパの面では優秀!

 まずは年々売り場を拡大している「カット野菜」について見ていくことにしましょう。

 まず価格面から見ていくと、2~3人用のミックスサラダが200円前後、野菜炒め用が150円前後で販売されています。これらをすべて自分でそろえて、切り分けることを考えると、明らかにコスパに優れていることがわかります。

 さらに最近では鍋用、しゃぶしゃぶ用、煮物用、カレー用、豚汁用など、用途に応じたカットや下処理がされているため、洗う・切るなどの工程がなく、誰でもすぐに使えるという利便性も向上しています。つまりコスパとタイパの側面から考えれば、優秀であることは間違いありません。

◆カット野菜の安全性は?

 おいしさの観点で考えてみれば、そのままの野菜だから必ずしもおいしいと言い切れないように、カット野菜にもいろいろな商品があると考えるのが公平でしょう。例えば国産にこだわる、有機野菜を使用するなど、選択肢も広がっていますから、いくつか食べてみて、価格と味で自分が気に入るものを探せばよいと思います。

 そしてもう一つは、消毒剤や農薬が心配というイメージを抱いている方に対する回答を整理しておきたいと思います。大手メーカーの企業サイトには、それらの不安に対する回答が丁寧に公開されています。

 まずは野菜の洗浄・殺菌処理について。野菜には食中毒菌が付着している可能性があるため、多くは殺菌処理が行われます。その場合、厚労省の規定に基づいた方法(水道水の消毒に用いられる次亜塩素酸ナトリウムを使用)で殺菌され、飲用水で十分にすすぎ洗いされたものがパック詰めされています。

 保存料などの添加物は使用されていません(水煮コーンを除く)。野菜の切り口の変色を防ぐために、空気の代わりに窒素が充填され、低温での管理が徹底されています。

 残留農薬の心配については、メーカーが法律で決められた正しい用法・用量を使用した契約生産者と契約する、自社で残留農薬検査を実施するなどの情報を公開していることが一つの判断材料になるでしょう。闇雲に心配するのではなく、まずは調べてみることが賢明です。

◆スーパーの値引きを賢く利用する

 そしてもう一つ、注目すべきは、惣菜売り場です。

 野菜不足が簡単に解消できるようなミックスサラダやデパ地下レベルのポテサラなどが手頃な値段で販売されています。すぐに食べられるというタイパに加えて、食べきりという点においても節約につながるでしょう。

 加えてオススメしたいのが、夕方以降の値引きをねらうということ。おいしそうな野菜サラダや惣菜が20%オフ、100円引き、半額で購入できるので、手堅い買い物術として覚えておいて損はありません。

◆ミールキットはお得なのか?

 そしてもう一つ、最近よく見かけるようになった「ミールキット」。定番和食や炒め物、珍しいエスニック料理など様々なメニューがそろい、調理に使う材料がそろった状態で販売されています。

 価格は、メインのおかず(2~3人前)で1000円前後のものが多く、野菜高騰の状況下においては魅力的に感じられる人もいるはずです。

 これらを気に入るかは、食べる人の好みなどにもよりますから、実際に作ってみてお伝えできることをご紹介していきたいと思います。近所のスーパーで販売していた「オイシックス Oisix ごはんがすすむ!野菜たっぷり海鮮八宝菜 2人前(主菜のみ)海鮮八宝菜」(1079円)を例にしてみました。

 外袋を開けて驚いたのは、キャベツが230g入っていること。葉の色も鮮やかで、キャベツ料理が食べたい人には満足するレベルだと思います。さらにシイタケが2個、ピーマンが2個、カット済にんじんが80g入り、下ごしらえされたエビとイカと調味料がついています。

◆ミールキットも満足度が高い

 レシピに従って作ってみたところ、パッケージに記載されている通り10分で完成しました。1人分を盛り付けてみたところ、ボリュームもしっかりありメインのおかずにすることができます。

 エビやイカの量に物足りなさを感じる可能性がありますが、1人分500円を考えると不満よりも満足度のほうが優勢なのではないでしょうか。料理を考える時間、作る時間なども考慮すればなおさらです。

 今回は触れませんでしたが、冷凍野菜も年々進化し、複数野菜を組み合わせて下処理までされた便利商品も増えています。

 以上のことをふまえると、野菜高騰をうまく乗り切れるための選択肢は広がっており、悲観的に考える必要はないのかも……。

 野菜まるごとを購入するのが正義という時代ではなく、人それぞれが自分のライフスタイルや都合に合った形状の商品を選ぶことができる環境になったと考えるようにすれば、無理ない節約にもつながると思います。

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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