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元キー局アナ・39歳の私が居酒屋で遭遇したイケオジの“問題発言”にギョッ「それ、全然面白くないですよ」

女子SPA! 2025年2月7日 8時46分

 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。

 第21回となる本記事では、アンヌさんが居酒屋で遭遇したある男性客のエピソードです(以下、アンヌさんの寄稿)。

◆3月8日は「国際女性デー」世の中は変わってきた?

 3月8日はミモザの日。国際女性デーと定められており、女性の権利や心身の健康を社会で一丸となって向上させていこうという記念すべき日です。

 私が生活する札幌市でも3月8日、9日と2日連続で、女性の健康のこと、特に生理や更年期のことなどについて考えを巡らす「HAPPY WOMAN FESTA 2025 HOKKAIDO」というイベントが行われます。ありがたいことに私も両日ともコメンテーターとして登壇する予定です。

「女性の体のリズムのことをオープンに話せるようになった世の中になって本当に良かったと思います」とある方からお声掛けいただきましたが、その通り。

 極めて個人的にみえる問題は、実は政治的、社会的な問題としてしっかり捉えるべきという現在の風潮は、とても喜ばしいものですね。

◆「まだまだ悪しき風習がある」と実感する出来事が

 さまざまなことが変わり始めている昨今ですが……でも、まだまだ変わらない、変われない悪しき風習があるなぁと実感した出来事がありました。

 それはお酒の席での「無礼講」「性的トピック」問題。

 女性のヌードカレンダーを飾ったり、軽々しく体に触れたりすることは、絶対NG。万一職場でそんなことがあれば一発アウトですが……。飲み会の席であれば、お酒が入っていれば、セクシュアルハラスメント的振る舞いをしてもギリギリオーケー?! という風潮が、実はまだあったのねと感じたのです。

 私はお酒が大好き。いわゆる赤ちょうちん系の居酒屋には目がありません。

 そういったところは特に個室などもなく、きゅっとコンパクトなスペースにちゃぶ台のようなテーブルが所狭しと置かれていたり、カウンターで肩を寄せ合い、場合によってはお互いの会話が丸聞こえ、なんてこともザラ。

 先日の某居酒屋、私から見て斜め前にあたる席に座っていた男性2人、女性2人のグループ。

 私のほうに背を向けていた一人の男性が、わざわざ何度も振り返ってこちらの顔を確認するような素振りを見せていました。

◆白髪混じりのイケオジ風男性の“問題発言”

 ありがたいことに、最近頻繁にテレビのお仕事をさせていただいている私。どこかで見たことがあるやつだと、その男性は思われたのかもしれません。

 会話が途切れ途切れながら、こちらに聞こえてきます。そしておもむろにその男性は大きな声で、

「おっぱい! おっぱい!」と連呼しはじめたのでした。ちらっとこちらの反応を伺うような素振りを見せる男性。

 こんなことを連呼する人がいまだにいるのかとまあ正直驚きましたが……。そのおっぱい発言の主は、少し白髪混じりのイケオジ風……ですが、とにかく品がない。もう、子どもっぽいよね。いや、最近だと子どもでもそんなこと言わないかも。

 どういう意図でおっぱい発言を繰り返していたのかは本当に分かりませんが……。

 聞くともなしに聞こえてくるボリュームで、上機嫌の彼は同席していた女性陣に向かって続けるのでした。

「セクハラもさ、正直嬉しいんじゃないの? 嬉しいっていう気持ちも正直あるでしょ?ぶっちゃけ?」

 と。女性たちがどういう反応をしていたのか残念ながら聞こえませんでしたし、私も視線を送ることはしませんでしたので、この話がどういう形に着地したのか、今では知る由もありません。

 ただ……このような発言をすればその場が盛り上がるという発想、まだまだお有りの方がこうしていらっしゃるんだな、と。

 そんな現実をまざまざと目の前で見せつけられ、そして非常に勉強になったのでした。

◆「それ、全然面白くないですよ」

 一時期に比べて、セクハラは絶対NGという風潮が定着しつつあるものの、お酒が入ればそれは多少の「盛り上がり」であり、謎のぶっちゃけ話として済まされてしまう現状がまだまだ日本にあるということなのでしょうか。

 あの、それ、全然面白くないですよ。

 下ネタや悪口であれば、手っ取り早く場が盛り上がる……という時代はあったかもしれませんが、一瞬は盛り上がるかもしれませんが、結局、ああ、あんなこと言っちゃったなあと翌朝頭を抱えたり、場合によっては職場の査定に響いたりなど、何らかの形で自分に返ってくる恐ろしいリスクが実は存在します。やめとくに限る!

 下ネタじゃないと盛り上がらない……とお思いでしたら……。ぜひ多くの映画をご覧になったり、本を読まれたりして、サブカル知識を身に付けられてはいかがでしょうか。

 さて、気になるのは同席していた女性たち。何も言えなかったのでしょうか……。

 私からのアドバイス。

「〇〇さん素敵なのに、そんな下品なことを口にするのはもったいない!! この話題終了まで5秒前~! はい終わり~!」とその話題を切り上げましょう。

 言われた方は悪い気はしないでしょうし、こんな話題はイケてないんだ、ということを何らかの形で知らしめてあげる事が大切。

 日本のジェンダーギャップ指数は118位。先進国ではビリですよ。それを嫌でも再確認する場面がまだまだあるんだなぁということを実感したある夜でした。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中

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