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推しアイドルに相談&逆の立場でアドバイス 横浜旭陵高、授業に「認知行動療法」

カナロコ by 神奈川新聞 2023年8月21日 8時0分

 神奈川県立横浜旭陵高校(横浜市旭区)が授業を通じて生徒の自己肯定感を高める取り組みに挑戦している。注目したのは物事の捉え方や行動の変容を促す「認知行動療法」。昨年から教員有志が授業への活用を始め、今年は学校全体で取り組みを推進する。

 「手紙の書き方の単元で、『推し』に手紙を書き、返事も自分で書く。そこでの物事の捉え方の変化が狙いです」。今月上旬、校内研修で国語科の澤口真理教諭が認知行動療法を取り入れた指導案を共有した。友人が抱える悩みをアイドルなどの「推し」に相談すると仮定し、「推し」の立場にも立ってアドバイスを考えてみる。同じ出来事でも見方が変わると、その後の感情や行動が変わるという実感を得てもらう考えだ。

 子どもを対象とした認知行動療法に詳しい桜美林大学の小関俊祐准教授は「自分のことだと書きづらいが、問題と距離を置いて取り組めるのがいい」とうなずく。この日、教員ら35人が小関准教授から同療法の活用について講義を受けた。

 同療法は、ストレスなどで狭くなった認知や行動が生み出す悪循環に働きかけ、好循環に変えていく心理療法。小関准教授は、うまくいった結果の背景にある生徒の行動に着目し、その行動を引き出す環境を学校現場で整備する重要性を指摘。成功体験を増やすための視覚・聴覚的な補助の仕方や実践例も示された。

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