1926(大正15)年に建設され、現在は「懐かしの学び舎(や)」として保存されている愛川町立半原小学校の旧木造校舎で、昔の暮らしについて町内6小学校の児童が学ぶ体験学習が、9月下旬から11月中旬まで行われている。
9月27日には町立田代小と高峰小の児童らが体験。高峰小から3年生18人が参加し、昔の木の机と椅子に座って授業を受けた。
講師を務めた同町郷土資料館の岩田慎平学芸員は、保存されている昔のアイロンや電話機を紹介。「昔は火で熱くした『こて』を使って着物のしわを伸ばした。でも、こてはすぐに冷えてしまうので、次には中に火の付いた炭を入れたひしゃくのような『ひのし』を使い、さらに炭を入れるアイロンに代わっていった」と道具の歴史を話した。
交換手を介してつないでいた昔の電話機を紹介した岩田学芸員は「今は技術が進んで、交換手がいなくても電話がつながる。でもそのために交換手の仕事がなくなってしまった。技術が進歩することはそれまでの仕事をなくしてしまう一方で、新しい仕事が生まれることもある」と話した。
児童たちは隣の教室に展示されている昔の農具や家具なども見学。「(衣類などを入れた)長持ちが面白い」「昔のアイロンの話が面白かった」などと話していた。