2023年度補正予算案の審議が27日、参院予算委員会で始まった。日本維新の会と国民民主党が衆院採決で賛成に回ったことで、野党第1党の立憲民主党の存在感が際立った。ただ、同日の審議でも牧山弘恵(神奈川選挙区)ら5氏が問題点を挙げ攻め立てたが、岸田文雄首相らは抽象的な内容の答弁でかわし続け予算成立を急いだ。
「単純に人を見る目がない」。相次ぐ政務三役の辞任を巡り「適材適所で臨んだが結果に対して責任を負う」との回答を繰り返してきた首相に対し、牧山氏は能力不足を指摘して「不適材不適所は総理の責任」と批判。「派閥の要望を素通ししてきた結果」とも断じて自民党の主要派閥による政治資金パーティー収入不記載問題の党としての説明や第三者機関による調査を求めた。
「各派閥で調査し対応すべきこと」との「まるで人ごと」(自民の閣僚経験者)の首相答弁に、牧山氏は「(疑惑派閥の一つの)宏池会の会長はあなた(首相)自身じゃないですか」と怒りをぶつけた。野党席は「その通り」と沸いたが、補正案に対する各党対応が分かれたこともあり、この日の論戦を通して盛り上がりは少なかった。