「とにかく選手に気持ちよく走ってもらいたい」
正月の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で長年、往路の3区と4区、復路の7区と8区をつなぐ平塚中継所の審判員として数々のドラマを見届けてきた平塚市陸上競技協会の小泉一二三会長(77)=秦野市=は語る。
自身は陸上競技の経験はなく、もちろん箱根も走ったことはない。小学校の教員として子どもたちを地域の駅伝大会に出場させているうちに、大会のサポート役に回るようになった。箱根駅伝の平塚中継所の運営に携わるようになったのも平塚市陸協からの誘いがきっかけだ。
40年近く前から中継所の警備などを担当する走路員に。約20年前からは10人いる中継所審判員の1人としてレースの進行を支援している。
小泉さんは、各校選手のタイムを計る計時員の記録をテレビ中継のスタッフなどにアナウンスする役目を担う。伝えた記録が速報としてテレビで流れるだけに責任重大だ。選手が団子状態で中継所に駆け込むケースがもっとも神経を使うという。「スピードが求められるし、失敗が許されない」と常に気を引き締めている。