横浜・みなとみらい21(MM21)地区の着工から40年が経過した。オフィスビルやホテル、商業施設などが整然と区画された街並みは、いよいよ完成形に近づいている。さらに近年は「音楽」と「ミュージアム」という二つの機能の集積が加速。唯一無二の多彩な街として発展を続けている。
音楽のあふれる街に─。そんなうたい文句を掲げ、「ミュージックポートヨコハマ」と銘打った活動が本格化している。一般社団法人横浜みなとみらい21(YMM)が仕掛け役となり、一帯に点在する八つの音楽施設などが連携。昨年1月に推進組織を立ち上げた。
取り組みの一つに、多くの人が行き交う商業施設の敷地などを舞台にした「みなとみらいストリートミュージック」がある。
歌声や演奏を披露したいミュージシャンをプロアマ問わず年1回募り、2段階の審査で厳選。場所を提供したい施設側と日時などの条件が合えば、すぐに「路上ライブ」が実現する仕組みを整えた。公演回数は9月末までの1年半で613回を数えたという。
パシフィコ横浜や横浜みなとみらいホールをはじめ、地区内には以前から複数の音楽施設があったが、ここ数年の開業ラッシュはすさまじい。ライブハウス「KT Zepp Yokohama」を皮切りに、「ぴあアリーナMM」「Kアリーナ横浜」が立て続けにオープン。ビジネスと商業がメインの街で、一気に音楽の色彩が強まっている。
さらに近年は、自社の技術や歴史を紹介する「企業ミュージアム」の開館も目立つ。目抜き通り沿いに連なる京浜急行電鉄や資生堂、村田製作所、LGなどの本社や研究開発拠点には、それぞれPR施設が併設された。建物の低層部には出入りが自由な空間を設けるという街づくり基本協定により、オフィスビルの相次ぐ誕生に伴って企業ミュージアムが急増した形だ。