「男は男らしく、女は女らしく」などといった性規範を、男性の方が強く内在化していることが横浜市の意識調査で分かった。同様の傾向は、同性愛者やトランスジェンダーなどの性的少数者に対する考えにも表れており、男性の方が性の多様性に否定的な回答が多く、年代が上がるにつれてその割合が高くなった。
調査は、5~7月に市内に住む18歳以上の戸籍上の男女5千人を無作為に選び、2128人から回答を得た。性の多様性に関する意識調査の実施は初めてで、全国的にも珍しいという。
性別役割意識についての設問では、「男らしく・女らしく育てるべきだ」という問いに対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた男性は61.3%で、女性より26ポイント高かった。年代別で見ると、男性の中で最も割合が低かった18~29歳でも45.4%に上り、同年代の女性と2倍以上の差があった。
「ケアの役割や仕事は女性が担うべきだ」という問いについては、男性は10.7%、女性は5.3%が肯定した。50代と70代を除き、男性の方が肯定する割合が高かった。男女差が最も開いたのは18~29歳で、男性が12.5%、女性が0.8%。40代女性は1人も肯定しなかった。