週明け11日の永田町は自民党の清和政策研究会(安倍派)パーティー券キックバック問題を巡る改造人事構想の浮上で荒れた。安倍派事務総長経験者で「政府の要」の松野博一官房長官の更迭が取り沙汰され、官邸は「指揮権が滞る学級崩壊」(政府関係者)の状態だ。党内や与野党間の調整役となる萩生田光一政調会長、高木毅国会対策委員長にも疑惑が拡大し、13日の国会会期末に向けた着地のシナリオは見通せない。
「明日以降の『担任』は出勤できるの?」「それとも学期途中の交代?」。官邸スタッフによると「岸田文雄首相が5人組を含む安倍派政務三役の更迭検討」との報が伝わった10日夜、メンバー間のSNS(交流サイト)でこうしたやりとりが飛び交った。「担任」とは松野長官を指し、「今月に入ってからは自身の釈明対応に追われ、まともに『授業』(官邸業務)ができない状態」とされる。
浮上した更迭報道に霞が関は浮足立つ。「省庁によっては担任(長官)の頭越しに校長(総理)への直談判に走り出しているありさま」(首相周辺)という。
当の長官は11日朝、記者団にもみくちゃにされながら官邸入り。「職責を果たす」と辞任を否定した。官邸スタッフからは「とりあえず病欠や無断欠席は避けられたな」とのつぶやきが漏れた。