地方独立行政法人「県立病院機構」が運営する県立こども医療センター(横浜市南区)で2021年に起きた入院患者の死亡事故を巡り、同機構は22日、事故後の患者家族への対応で複数の不適切な業務執行があったとして、同センターの後藤裕明病院長(56)を戒告の懲戒処分とした。来年1月4日付で病院長から指揮・命令権のない新設の医務監に転じる人事異動も発令する。病院長は黒田達夫総長が兼務する。
医療事故は21年10月に発生。子どもの患者が手術から5日後に亡くなり、死因は特定できなかった。外部の識者を加えた事故調査委員会は手術自体については適切だったとしつつ、手術後に必要な検査や点滴の投与をせず、容体急変後も心肺蘇生の開始が遅れるなど対応の不備を指摘した。