天真爛漫(らんまん)という言葉がよく似合う。プロ野球横浜DeNAベイスターズのルーキーで、横浜高校出身の度会隆輝外野手=ENEOS=は「セールスポイントは笑顔と元気」と明るく話す。
チームは2023年、初の交流戦優勝を成し遂げるもセ・リーグ3位にとどまった。同年10月のドラフト会議で走攻守がそろうアマチュアナンバーワン野手を1位指名。2球団との競合の末、三浦監督が希望の光をつかみ取った。
21歳の左打者が掲げる将来の夢は、トリプルスリー(打率3割、(30本塁打、30盗塁)。1年目の目標として色紙に「幸」と記し、「プロ野球選手は周りの方々を幸せにしてなんぼ」と誓う。
入団会見で自身が希望する愛称は「ハマの一番星」と宣言した。父・博文さんも長く活躍した最高峰の舞台で、まばゆく輝くスター選手へと走り出す。
◆“父”大久保監督「日本代表に選ばれる選手に」
度会から「お父さん」と慕われるENEOSの大久保秀昭監督(54)は「常に前向きで周りを明るくする選手になってほしい。日本代表に選ばれる選手に」と大きな期待を寄せている。
「3年後にドラフト1位でプロに行きたい」。2020年のドラフト会議で指名漏れした18歳の訴えに、指揮官は真正面から向き合ってきた。入社当初から「チームメートの誰よりも遠くに飛ばしていたし、スイングも速かった」。
グラウンド外でもよくコミュニケーションを図った。「3年間で一番話をした選手。彼の方から疑問に思ったことを屈託なく話しかけてきた」と振り返る。
プロを経験した指揮官は、同じ高卒から社会人を経て、米大リーグでも活躍した福留孝介さんと重ね合わせる。「福留君に近づける、追い越せるくらいの可能性は持っていると思う」と太鼓判を押す。
「最低ライン」と設定した1年目の数字は「打率2割7分5厘、18本塁打、60打点」。具体的かつ現実味を帯びた高い目標は手塩にかけて育てた「息子」への愛情の表れだ。