◆桐蔭学園34-24東海大大阪仰星(大阪第3)
ベスト8で大阪勢を迎えた重圧のかかる一戦でも、桐蔭学園フィフティーンの柔軟な選択と正確さは健在だった。
14―0の前半19分。敵陣で圧力をかけてインゴール手前でスクラムを得ると、ゴールまで15メートル付近でSH渡辺からFB吉田にパスが渡る。想定と違い、吉田は「焦った」。それでも冷静に蹴り込み、ゴールポストの間を鮮やかに射抜くドロップゴールを決めた。
吉田は2、3回戦でも14―0の局面でPGを選択し、確実に決めて点差を広げた。「点差を広げることは大事。(3点は)精神的にも大きい」(藤原秀之監督)とキックは重要な武器。後半9分にはSO萩井もドロップゴールを決めてみせた。
キックで陣地を取り、強靱(きょうじん)なタックルやセットプレーで奪い返す姿が目立つ現チーム。ロック中森は「FB(吉田)やSO(萩井)に良いキッカーがいるので、守備から入るところを挑戦している」と説明する。2大会ぶりのベスト4進出を果たしてもなお、進化の余地を残している。
「FWが前に出ているおかげ。前に進んだ分、最後は決めるだけ」と吉田。準決勝の相手は再びの大阪勢となる大阪桐蔭だが、浮き足立つ様子は全くない。
◆桐蔭学園・藤原秀之監督の話
準々決勝の第1試合で大阪勢、特に東海大大阪仰星さんに勝つにはここしかなかった。終盤にあおられて底力を感じた。(次戦も)またアウェーでしんどくなると思う。
◆桐蔭学園・城央祐主将の話
後半は負けていた。何が起こるか分からないので引き締めたい。(大阪桐蔭は)FWが強いので、きょうみたいな緩いタックルではなく、一人一人刺さっていきたい。