神奈川県小田原市がパワーハラスメントを繰り返した市職員の処分を3年以上放置していた問題で、市上下水道局内の部署で2021年度に職員の4割が療養休暇となっていたことが11日、関係者の話で分かった。20年秋に他部署でパワハラ行為が発覚した幹部職員がこの部署に異動しており、その後に療休者が急増した形だが、市は「業務負担が偶然重なったのが原因で、部署内でパワハラ行為があったとは認識していない」と説明している。
ただ、市が22年3月に実施したハラスメントについての職員アンケートではパワハラを告発する回答があった。「上下水道局のパワハラはどうにかならないでしょうか。ここを解決せず何も解決しないと思いますし、また新聞沙汰(ざた)にでもなったらどうするんだろう」と記述されていたが、市はこれまで職員への聞き取り調査を実施してこなかった。
療養休暇について、上下水道局内の課では職員20人のうち4割に当たる8人が新型コロナウイルスやインフルエンザを除いて21年度中に延べ10回取得。同年度の市役所全体(約2300人)の療休者は143人で、7倍近い割合で療休者が多発していた。