Infoseek 楽天

「政治家にならないほうがいい」…自民派閥裏金事件で神奈川の党員、支持者は何思う

カナロコ by 神奈川新聞 2024年1月15日 22時8分

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党が新設した「政治刷新本部」の議論の行方を、神奈川県内の党員や支持者が注視している。繰り返される「政治とカネ」の問題に、自浄能力を発揮することができるのか。最高顧問の菅義偉前首相(衆院神奈川2区)らメンバーに選ばれた県内選出議員に期待もしつつ、党の本気度を見極めようとしている。
 
 「怒りと冷ややかな感情の中間。『何をやっているんだ』という思い」

 現職議員の逮捕にまで発展した一連の問題に、党員の水野次郎さん(92)=横浜市港北区=はあきれる。「収支報告書にきちんと記載すれば済んだ話で、民間なら当たり前。基本的なことができないのなら、政治家にならないほうがいい」

 長年、地域のために汗を流す議員を見てきた。「政治は金がかかる」との主張も否定しない。ただ、気掛かりなのは、政治改革の気風が薄れていると感じられることだ。1988年に発覚したリクルート事件で政治不信が渦巻いた時、若手議員らから改革を求める声が上がり、「政治改革大綱」では派閥の解消がうたわれた。

 だが今は、検察の捜査を言い訳に説明責任を果たそうとしない姿が目に付く。水野さんはくぎを刺す。「だんまり戦術で逃れようとするのは許されない」

 見極めようとしているのは「本気度」だ。政治資金規正法の厳罰化はもちろん必要で、派閥についても「(『政治とカネ』の問題を)必要悪と開き直るような形なら、ないほうがいい。悪を徹底的に取り除き、新しい政策集団をつくるべき。そうでないと、党の掃除はできませんよ」。

 苦言は党所属の地方議員からも聞こえる。ある市議は「国会議員には襟を正してほしい」と注文する。

 地方議員に比べ、国会議員は歳費のほかに調査研究広報滞在費(旧文通費)も支給されるなど「優遇されている」。にもかかわらず、多額の「キックバック(還流)」が明らかになった。議員は「ありえない話で、もらう必要はない。もっと考えて行動してほしい」と訴える。 

この記事の関連ニュース