小田原駅西口周辺の再開発計画を巡り、小田原市は本年度中に策定する基本構想案の市民説明会を川東タウンセンターマロニエ(同市中里)で開いた。再開発で市は人口増加や地域経済の活性化を目指すが、官民で最大165億円の事業費が見込まれる。参加者からは「費用対効果があるとは思えない」「大規模事業が相次ぎ、子育て支援などに予算を充ててほしい」などと異論が上がった。
同駅西口を巡っては老朽化した分譲共同ビルの建て替え工事が進んでおり、6月に17階建てビルが完成予定。一方で観光バスや一般車両などが乗り入れる駅前ロータリーは歩行者の危険横断や交通トラブルも多く課題となっている。
基本構想案はロータリーと民有地を含めた計1ヘクタールと一体的に整備。ロータリー周辺に歩行者が滞留できるデッキとともに集合住宅と商業施設を併設した高層ビルの建設も進める。デッキ下はロータリーとして利用し、公共交通と一般車両の動線を分離して安全性を確保する。
13日の説明会には約30人が参加。市はにぎわい創出とともに「居住者や駅利用者、誰もが快適な都市空間の創造を目指す」と説明。参加者からは「(ロータリーを)横断する歩行者が多く、運転していると怖い」と安全性向上を求める声がある一方で、多額の事業費から「事業の必要性があるのか」と厳しい意見も上がった。