神奈川県横須賀市内で特色ある小学生の放課後の居場所づくりに取り組んでいる団体がある。通常の学童保育とは異なり、小学4年生以上の高学年に対象を絞り、10人程度の少人数で活動している。運営者は「子どもの預かりに正解はない。いろいろな放課後の在り方、選択肢があっていいと思う」と子どもの成長を支援している。
働く親が子どもを放課後に預ける学童保育は、共働き世帯の増加に伴い、そのニーズも高まっている。通常の学童保育は自宅で留守番ができない低学年が中心で、高学年になるとやめたり、利用頻度が少なくなったりするケースが多い。
これに対し、高学年を対象にした放課後の預かり事業を展開しているのが学童クラブ「ぬくもり」(同市根岸町)。施設長を務める池井将さん(31)は、従来の学童保育で指導員を務めた経験を基に2022年4月に開設した。
高学年が低学年の面倒を見たり、他学年と交流したりすることが多い従来の学童保育の良さや大切さは認めつつ、「児童一人一人を見たとき、1年生と一緒だと楽しめない子や、大人数が苦手な子もいる。子どもの最善の利益を追求したい」と開設の理由を説明する。
同クラブは、放課後以外は不登校児の受け入れや地域交流イベントなどで使われている古民家で活動している。「タイムスケジュールよりも自分で判断する力が大事」と細かいルールは設けない。児童は自主性を認められ、おやつを作ったりトランプ遊びをしたりと、それぞれ過ごしている。少人数を生かし、市内外への外出イベントも数多く企画する。