自民党安倍派(清和政策研究会)のパーティー券裏金事件の対策立案を目的に発足した同党政治刷新本部を巡り、菅義偉前首相(衆院神奈川2区)と連携する無派閥議員の動きが際立ってきた。岸田文雄首相(同党総裁)が命じた中間とりまとめに小泉進次郎元環境相(11区)が主張する「派閥パーティーの中止」などが盛り込まれる見通し。18日には坂井学元官房副長官(5区)らが無派閥連絡会を立ち上げる。「脱派閥の菅軍団」(自民の閣僚経験者)に対し、麻生太郎副総裁ら派閥容認派の議員は警戒感を強めている。
「総理は『政策集団』としか言わない。『派閥』の名称を使うのがはばかられるならやめればいい」。小泉氏は刷新本部会合や取材でそう明言しつつ、「パーティー禁止」「パーティー収益など資金配りの禁止」「組閣や党人事に当たって名簿などでの派閥からの要請禁止」の実現を主張している。
関係者の話を総合すると「小泉3点セット」と評されるこれらの提案のうち、パーティー関係2点は中間とりまとめへの盛り込みがほぼ内定。「派閥要請禁止」については「調整中」とされるが党執行部内では「言及しないわけにはいかない」とのムードだという。
菅内閣で国対委員長を務め、先の総裁選では小泉氏とともに河野太郎氏(15区)を推した森山裕総務会長が「脱派閥論の高まりを背景に『立法府の人間は法を順守すべきだ』と態度を鮮明にしたことが流れを変えた」(自民幹部)とされる。「3点セット全面採用の可能性は濃厚だ」(同)という。