相模原市中央区の工業用接着剤メーカー「アセック」に勤める正社員の30代女性が適応障害を発症したのは、身体接触を含む上司からの度重なるセクハラが原因だったとして、相模原労働基準監督署が労災認定していたことが17日、分かった。女性が加入する労働組合「総合サポートユニオン」(東京都)が県庁で会見し明らかにした。認定は昨年10月3日。
同労組によると女性は数年前、直属の上司である男性部長から2人きりになった会議室内で抱きつかれ、頭をなでられた上、「評価するのは俺だからいいだろう」などと言われたという。2022年1月に発症、同5月に適応障害と診断された。発症後も給湯室で両肩をつかまれたり、5時間にわたる2人きりの打ち合わせの場で抱きつかれたりした。
被害を相談した同社の男性副社長や男性役員からも「セクハラ・パワハラは受ける立場でだいぶ変わる」「たった一つの問題に固執するよりも大した問題じゃねえよっていうぐらいに思わないと」などと女性を責めるセカンドハラスメントを受けたという。
同労組は上司によるセクハラ・パワハラの調査、事実認定、上司の懲戒解雇などを求めている。同社は「記者会見で発表された内容について、事実関係が確認できないためお答えできない」とコメント。同労基署は取材に「個別の事案には応じられない」としている。