すでに存在しない自民党支部の掲示板などに貼られた神奈川県小田原市の守屋輝彦市長の政治活動用ポスターについて市選挙管理員会の市議会答弁が改変されたとされる問題で、市選管事務局が守屋氏の新旧2種類のポスターがいずれも「公職選挙法に抵触する恐れがあると答弁する」と市選管定例会で委員に説明していたことが18日、分かった。実際には答弁は委員らに無断で「違法合法の判断はしない」などと後退した内容に変更。委員から「市長への忖度(そんたく)を疑われても仕方ない」と不満の声が上がっている。
関係者によると、昨年12月の市議会で市議から守屋氏の政治活動用ポスターの違法性の有無を問う質問通告があった。守屋氏のポスターは同年8月に掲示方法などについて違法性が指摘され、その後に新しいポスターに貼り直された。市選管事務局は同12月の市選管定例会で新しいポスターについても「氏名の普及宣伝と取られ、公選法に抵触する恐れがある」とする答弁案を委員らに示したという。
答弁案はその後、守屋市長が出席する会議で示されたが、市長が難色を示したとされる。市選管事務局は議会前日になって答弁変更を決めたが、市選管委員には報告せず、協議もしなかった。