東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県から神奈川県に避難してきた住民ら56世帯167人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、東電に計約4億5800万円の賠償を命じた。国の責任は認めなかった。
原告側は、2013年9月から順次提訴。19年2月の一審判決は国と東電双方の責任を認め、当時の原告のうち152人に計約4億1900万円を支払うよう命じた。
一審判決では、貞観地震(869年)の知見に基づく東電の報告を受けた09年9月時点で、国は津波の到来と全電源喪失を予見できたと認定。電源設備の移設を進めていれば事故は回避でき、東電への規制権限を行使しなかったのは「著しく合理性を欠き違法」と指弾した。