広島、長崎で被爆した親を持つ全国の被爆2世に健康に関するアンケートを行った結果、回答者の約7割が健康障害を経験していることが分かった。原爆放射線の遺伝的影響の有無がはっきりしない中、2世らはこうした実態を訴え、被爆者(1世)に準じた援護策を国に求めている。
アンケートは、京都「被爆二世・三世の会」が2020年4月から23年8月に実施し、13都府県の2世102人(平均年齢66.3歳)が回答。うち70人が健康障害を経験していた。
がんなどの重い疾病だけでなく、体調不良なども幅広く尋ねたのが特徴で、父が広島で被爆した森川聖詩さん(69)=川崎市=の著書から46項目をリストアップした。最多だったのは「子どもの頃、傷口がなかなか治らず、膿(うみ)がたまり、炎症を起こした」(22人)。次いで「腹痛に伴う下痢」(21人)だった。自由記述には幼少期からの病院通いや精神、経済的な負荷もつづられていた。同会世話人代表の平信行さん(72)は「はっきりした診断がされなくても、疲れやすく、正常な生活が行えない深刻な状況が多い」と明かす。