世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から選挙支援の推薦状を受け取ったとされる盛山正仁文部科学相が「記憶にございません」などと曖昧な説明を繰り返していることを巡り、「教育所管の大臣として不適格」(野党議員)との批判が高まってきた。その言い訳が「子どもの教育上良くない」(同)ことが理由。立憲民主党の泉健太代表も「スリーアウト」と辞任を迫った。
「はっきり覚えていない」。9日の衆院予算委員会で立民の渡辺創氏から「本当に全く記憶がないのか」とただされた盛山文科相は前日までの「記憶にございません」との答弁を変更。「うすうす記憶がある」と説明を変えた。5日から本格的に始まった同委での審議の答弁は「記憶にない」→「うすうす思い出した」→「覚えていない」などとくるくる変遷。野党席からは失笑が漏れ、与党席には渋い表情が広がった。
文科相更迭を迫られた岸田文雄首相は「盛山氏は旧統一教会と未来に向けて関係を絶っている」などとかばったが、渡辺氏は「自民党の調査に誠実に答えず、旧統一教会と対峙(たいじ)する文科大臣職に就いた。総理はだまされ任命した。正直者がばかを見る」と畳みかけた。
立民の泉代表は同日の定例会見で「盛山氏には教育や旧統一教会の解散を担当する大臣は務まらない」と明言した。理由として「『知らない』などうその申告をした。国会答弁では言い逃れの連続、文科相でありながら(選挙支援を受けたとの)指摘を受け旧統一教会問題と利益相反関係にある」ことを挙げ「この三つでスリーアウト」と指摘。「もう文科相を務めていただくわけにはいかない。辞任すべきだ」と断じた。野党の攻勢は強まる一方だ。