横浜税関が2023年に摘発した覚醒剤密輸の件数が52件に上り、統計を取り始めた1985年以降、最多となったことが分かった。少量を複数回に分けて持ち込む「ショットガン方式」と呼ばれる手口が増えたことが要因とみられ、同税関が警戒を強めている。
同税関が14日、23年の密輸摘発状況を発表した。
違法薬物全体の摘発件数は219件(前年比207件減)、押収量は約250キロ(同約165キロ減)とどちらも減少したが、覚醒剤は19件増と2年連続で増え、押収量も前年の約2.9倍に当たる約182キロ(末端価格112億8400万円相当)と2年ぶりに増加に転じた。
薬物の発送元ではアメリカ、スロバキア、タイ、オランダが全体の約6割を占めた。特にタイ(28件)は前年の約3倍と目立ち、覚醒剤はいずれも「ショットガン方式」だった。同税関は「小口にすることで摘発リスクを回避しようとしている」とみる。