任期満了に伴う神奈川県藤沢市長選は18日、投開票が行われ、現職の鈴木恒夫氏(74)が、いずれも新人で元県議の国松誠氏(62)、政治団体代表の相原倫子氏(63)を破り、4選を果たした。投票率は前回(2020年)市長選の29.27%を5.42ポイント上回る34.69%で、12年の市長選以来となる30%台を回復した。
選挙戦は3期12年の鈴木市政の是非を主な争点に争われた。鈴木氏は「藤沢のさらなる発展に道筋を付ける」と主張し、任期中に人口が約3万人増えるなど現職としての実績や成果を訴えた。小学校給食の無償化や第2子以降の保育料の負担軽減など子育て支援の充実も強調し、転入が続くファミリー層にアピールした。地元選出の国会議員や地方議員が党派を超えて幅広く支援する体制で臨み、新人2氏を退けた。
国松氏は市長の多選を批判して新しいリーダーの必要性を、相原氏は女性市長の実現による市政の刷新を訴えたが、及ばなかった。
当日有権者数は36万5658人(男17万8997人、女18万6661人)。
◆鈴木恒夫氏の横顔 藤沢市出身。早大卒後、1979年に29歳で市議に初当選し、4期務め神奈川県議へ転身。5期目途中の2012年の市長選に出馬し、現職を破った。今年の漢字に「興(おこす)」を掲げた。コロナ後を見据え、にぎわいの創出や地域経済活性化に意欲を示す。大鋸。