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武田信玄の古戦場から「竹下通りよりにぎわった」在りし日まで… 神奈川県央エリアの町、たどった歴史を動画に

カナロコ by 神奈川新聞 2024年2月24日 11時50分

 愛川町は、地域の歴史を伝える動画「愛川百年旅」シリーズの第3弾「愛川百年旅SPECIAL2『歴史ノ教室』」(24分)を制作した。2月から動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、収録したDVD(1500円)の販売を町役場で行っている。動画には町民から寄贈された古い写真などを数多く活用。町総務課は「町の古い思い出を残し、次世代へ語り継いでいきたい」と話している。

 「歴史ノ教室」は3部構成。町立半原小学校(同町半原)の旧木造校舎を活用した「懐かしの学び舎(や)」で、町郷土資料館の学芸員3人が子どもたちに町のあまり知られていない歴史を話す形で進行する。

 第1部「生きている木造校舎」では、県内最古の木造校舎を取り上げた。同小は1873年(明治6年)に、同町田代に置かれた小学校「養成館」の分校として開校。当初は半原村の観音堂を仮校舎としていたが、79年(明治12年)に校舎を建築。さらに1926年(大正15年)に建てられた新校舎が現在残る旧木造校舎となった。

 動画では校舎建設時の上棟式の様子などを写真で紹介。江戸時代から続く地元の「半原宮大工」が手がけ、寄せ棟造りの屋根の多くの柱が一点で集まる「隅合掌(すみがっしょう)」と呼ばれる技法などに優れた技量が見て取れるという。この校舎で学んだ人たちも動画に登場し「本当に堅牢(けんろう)に作られていた」「今後に伝えたい」と思いを語っている。

 第2部「昔とミライの峠道」では、戦国時代に武田氏と北条氏が戦った「三増合戦」を紹介。武田信玄が「風林火山」の旗を立てたとされる「旗立松蹟址碑」(同町三増)や、合戦の戦死者の首が葬られたとされ、江戸時代の1706年(宝永3年)に建てられた石碑には戦死者の幽霊が出没するため念仏供養をしたと記されている「三増合戦首塚」(同)など、合戦関連のスポットを学芸員が歩いて紹介している。

 第3部「ダムからの贈り物」は、1969年(昭和44年)に建設計画が発表され2001年(平成13年)に運用開始した宮ケ瀬ダムによって失われた中津渓谷の在りし日の姿を古い写真や動画で紹介。渓谷沿いに多数の旅館、食堂、土産物店が並び、旅館店主が「土・日曜日は1日2万人も観光客が訪れ、今の東京の竹下通りよりにぎわった」と振り返っている。

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