神奈川県の黒岩祐治知事は26日の県議会本会議で、国に対して従来の地方への税源移譲に加えて「自治体間の税収偏在の是正に向けた措置を要望していく」との方針を示した。立憲民主党・かながわクラブの松崎淳氏の一般質問に答えた。
隣接する東京都が法人関係税収の集中などによる財源を生かし、2024年度から私立を含む全ての高校授業料を実質無償化する方針を打ち出すなど、教育や子育て施策で神奈川などとの行政サービスの差が顕在化している。
県の歳出は義務的経費が8割程度を占める硬直した財政構造で、政策的な投資の余地は限られている。知事はこれまでも「都と同じような施策は県の財政事情では難しい」と繰り返し述べてきた。今回の答弁は東京都への一極集中を是正する観点からも、仕事量に見合った地方への税源移譲はもとより、自治体間の税収格差を踏まえた税源配分に国が主体的に取り組むべきだとの認識を示したものだ。