外出先で地震に被災した際に備え、携行品を考えるワークショップ「きみだけの防災ポーチを作ろう!」が3日、横浜市中区の横浜地方気象台で開かれた。講師の横浜国立大学・台風科学技術研究センターのセンター長補佐の奥村政佳さん(45)=神奈川県逗子市=の話を聞きながら、参加した小学生と保護者らは飲料や携帯トイレなど、災害時に必要な持ち物を考えた。
気象予報士、防災士の資格も持ち、横浜市鶴見区で保育士として働く奥村さんは千葉県東方沖などで続く地震に触れ、「大きな地震が今起きても不思議ではない」と述べた。物品選びのこつについて▽できるだけコンパクトに▽代用品があるか考える▽便利なものではなく「自分を守るもの」-を挙げた。
続いて、親子連れは話し合いながら、机上に並ぶ約20種の物品から紙パック入り麦茶、雨具などを選び、縦10センチ、横幅15センチの袋に入れて、選んだ理由も発表。
横浜市立立野小5年の女児(11)は、断水でトイレが使えない地域もある能登半島地震被災地の状況を考え、携帯トイレや固形ブドウ糖、麦茶などを選択。同地震以降、家庭内で防災について語ることが増えたといい、「命に関わるものを選んだ。能登と同じく、トイレの衛生環境が悪化するかもしれない」と理由を説明した。
奥村さんはモバイルバッテリーや雨具、飲料などを納めたことを紹介。自身が被災した阪神大震災で、多くの人が発生15分以内に建物などの下敷きになって死亡したことに触れ、高い棚や重い物を寝室に置かないことも訴え、「寝室の安全を確認し、防災ポーチを持ち歩いて」と呼びかけた。
催しは、同気象台と政府の地震調査研究推進本部が初開催した。