パシフィコ横浜(横浜市西区)は8日、女性用トイレで生理用ナプキンを無償提供する実証実験を27日から始めると発表した。外出先で急に生理が始まるなどといった潜在的な課題に応える目的で、女性の悩みを技術で解決する「フェムテック」製品を活用。配布から廃棄までの環境をセットで提供し、利用状況や満足度を確認する。
使用するのは、シャープが開発中の生理用ナプキンディスペンサー。機器に手をかざすと扉が下がり、1枚取り出せる仕組みだ。機器はインターネットにつながっており、在庫管理や異常検知もできる。専用アプリのダウンロードや利用者の事前登録も不要で、利用側のハードルが低いのも特徴だ。1枚ずつ取り出す仕様で大量の持ち去りを防ぎつつ、本当に必要な人が2枚目も受け取れるよう、一定時間待つと再度取り出せるようになっている。
パシフィコ横浜は国際会議や講演会、展示会などさまざまな用途で使われている。施設を運営する横浜国際平和会議場(同区)の近藤淳奈事業・安全推進課担当課長は女性の潜在的な課題が気になっていた。「女性参加者が急な生理に見舞われた際、手元になければ近くのコンビニに買いに行かなければならない。開演や発表までに時間がない時は困っていたと思う」。こうした課題は施設側に声として届くわけではないが、解決の一歩にと企画した。