横浜DeNAの西巻賢二内野手(24)は、福島県会津若松市で東日本大震災を経験した。「日々感謝しないといけない」と、あの日の光景を今も胸に刻む。高い盗塁技術を持ち、内外野を守れるユーティリティープレーヤーは、二度の戦力外通告を経て、今季ブレークの兆しを見せている。
2011年3月11日、同市小金井小学校で授業中に被災した。当時いわき市小名浜の野球チームに所属していた。その地域には津波が押し寄せ、友達の安否が気がかりだった。
翌12日には海岸に近いエリアで試合が予定されていた。「金曜日に(地震が)起こったのは鮮明に覚えている。もし1日ずれていたら被害にあっていたかもしれない」。チームは約1カ月間、活動できなかった。再開後、山形県のチームが練習試合に招待してくれた。
毎年、ユーチューブで震災当日のニュース映像を見るようにしている。決して忘れてはいけないという思いからだ。
今年の元日。能登半島地震が発生した午後4時ごろ、地元で祖父の葬儀に参列していた。「葬式中にも地震があって、いろいろ考えさせられた。今年1年間、より頑張らないといけないと思った」と決意を固めた。