映像・音響機器大手のJVCケンウッド(横浜市神奈川区)は15日、神奈川県横須賀市の久里浜事業所で生産する反射型液晶デバイス(LCOS)の生産を、新潟に移転すると発表した。
同事業所内での稼働は3月末で終了し、4月以降は、半導体製造のJSファンダリ(東京都)が所有する新潟工場内のクリーンルームの一部を賃借し、生産を行う。移転に伴い久里浜事業所は休止する。土地の活用先は未定。
LCOSは、主にプロジェクター用の映像デバイスとして用いられている装置。4Kや8K映像など、高精細な映像を投映する自社製品などに搭載されてきた。昨今では拡張現実(AR)や仮想現実(VR)分野の機器への採用も見込まれることで、次世代通信で生じる膨大な通信トラフィックにも対応できるよう高性能化が求められているという。
移転の狙いについて、JVCケンウッドは「JSファンダリの生産施設がLCOSの生産仕様や規格に適している」と説明。今後は、より高い精度と安定した品質を確保した柔軟な生産体制を構築し、将来的には生産能力強化も目指す。