2023年に神奈川県内で起きた山岳遭難事故について、発生件数が179件、遭難者204人、死者14人と、いずれも過去最多だったことが23日までに、県警のまとめでわかった。うち半数は道に迷ったり、体力の限界で身動きが取れなくなったりしたケースで、50代以上が全体の約7割を占めていた。県は県警や衛星利用測位システム(GPS)を使うアプリ運営会社と連携を図り、登山情報を活用した対策を進める方針だ。
県警地域総務課によると、発生件数、遭難者数、死者数ともに、統計が残っている1973年以降で最も多く、死者数については2016年と同数だった。前年比では発生件数が28件増、遭難者は29人増、死者が3人増。遭難者の内訳は道迷い55人、疲労53人、転倒32人、滑落・転落が31人などで、県警は「50代以上が体力不足で救助される件が多発している。低い山でも装備はしっかり準備するとともに、体力に見合った登山を心がけてほしい」と注意を呼びかける。