街中の小さな映画館が全て姿を消した小田原の中心市街地で、20年ぶりにミニシアターが復活した。20日に行われた「小田原シネマ館」(小田原市栄町)のオープン式典には、小田原出身で人気アニメ「機動戦士ガンダム」の生みの親の富野由悠季監督も駆けつけ、エールを送った。
小田原駅周辺は最盛期には8館の映画館があったが、2003年までに全て閉館。シネマ館は地元の実業家・蓑宮武夫さんがシネマコンプレックス(複合型映画館)とは違う昔ながらの映画館の復活を目指して準備を進めたが、蓑宮さんは完成を見ずに昨年10月に亡くなった。
オープン式典には富野監督のほか、映画「二宮金次郎」の五十嵐匠監督も参加。父から映画館立ち上げを引き継いだ蓑宮大介支配人は「父は小田原から映画館が消えたことを『街から文化の灯火が消えた』と表現していた。若い人にも映画館で映画鑑賞を体験してほしい」とあいさつした。