カロリミットや内脂サポートなど数々のサプリメントを30年にわたり世に送り出してきたファンケル(横浜市中区)。「高品質・低価格」というコンセプトのもとで提供し、累計8千万個以上を販売している商品もある。健康食品を提供し続ける同社のサプリメントの秘密を探りに、主力商品などを製造するファンケル美健三島工場(静岡県)を訪れてみた。
JR三島駅から車で約12分のところにあるファンケル三島工場は延べ床面積3万715平方メートルで、同社工場としては最大。安全・安心な環境を掲げ、2021年4月から稼働し、サプリメントを中心に製造している。
工場見学は誰でも参加可能で、カロリミットや内脂サポートなどがどのように作られているのかを学べる。所要時間は約60分。予約は公式ホームページ(HP)から受け付けている。サプリのパッケージ包装を中心に、サプリ製造が見られるほか、お土産にサプリの試供品がもらえる体験価値が高まるツアーとなっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴いオンラインのみで開催していたが、昨年8月から現地ツアーを開始した。
見学当日は、工場見学を管理する大沼宏輔課長に案内してもらった。まず1階のエントランスで、ファンケル創業者の池森賢二氏直筆の書やサプリメントが浮き出て見える撮影スポットを案内された後、2階の見学ホールに移動。ファンケルが扱うサプリや三島工場で作っている製品説明などを約15分受ける。
ここで、大沼課長は「皆さまが待ち望むものを手にすることができる」と話す。席に座ると机に用意されていたのは、同工場で製造したサプリ2種類やオンラインショップで使える割引券。これらはお土産として無料で持ち帰ることができるという。
通常、サプリは栄養補助食品と言われるが、日々の食品として効率的に摂取できるこだわりもある。「量が多いものは飲みやすくしたり、体内で効率的に働くための工夫したり、パッケージを開けやすくしたりなど細かな工夫をしている」と大沼課長。実際にファンケル製品のこだわり「体内効率設計」に関するデモやファンケルの歴史などもプログラムとして見学できる。
サプリについて学んだ後、製造工程を見学。まずは1階にある粉末状態のサプリを錠剤の形にする「打錠」と言われる作業を見ることになる。しかし、訪れた当日は機械が稼働していなかった。大沼課長は「複数のサプリを製造している。翌日に別のサプリを作ることやアレルゲンの問題を考慮し、機械の稼働が半日で、残りの半日を掃除にあてることもある」という。
見学スペースには打錠する見本の機械があり、デモで仕組みがわかる。粉末のサプリ原料を型に入れて約1トンの力でプレスして固めて錠剤にし、1分間で約6千錠作れるものも。見学日によってはサプリを空のカプセルに詰める工程も見ることができる。
その後、2階に戻りサプリを袋詰めする作業を見学。打錠したサプリに割れや欠けなどがないか、一粒ずつ専用のカメラで検査。合格した錠剤を、製品ごとに決まった容量に合わせてサプリを丁寧に袋に詰めていく。袋に小分けする工程を見たら見学は終了する。