殻を破る鍵は「ダイナミックなプレー」にある。J1横浜MのFW植中朝日(22)はU―23(23歳以下)アジア・カップの日本代表入りは逃したものの「ガクン、という感じではない。普段の活躍や代表のプレーでアピールできていなかったので仕方がないかな」。心機一転、成長を誓った。
吹っ切れた様子だ。生き残りへの正念場だった3月の国際親善試合ではマリ戦、ウクライナ戦ともゴールはならず。悔しさをかみしめながらも、「クラブも大事な戦いが待っている。代表ももちろん気にはなるけど、そっちは託して自分はマリノスの試合に100%集中できる」と前を向く。
今季は2列目で出場機会を増やし、前節の川崎戦でもスタメンに名を連ねたがシュートはゼロ。思い切りの良さが本来の魅力だが、「家に帰って映像を見ても足りていないと思った。もうちょっと迫力あるプレーで入り込んでいくシーンを増やしたい」。ゴールに向かう勢いを課題と捉えている。
「ある程度組み立ての部分を任せている分、ゴール前で仕事をしないと。それがなかったら何もないプレイヤーになる」。試合に出続けることで結果を残せぬ歯がゆさも募る。「苦しいというかもやもやするというか…。幸せな悩みだと思うので、しっかり解決して結果を出すところまで持っていく力をつけたい」
キューウェル監督からも期待は高く、「『もっと思い切ってシュートを打ってもいいんじゃないか』と言ってもらっている」と気鋭のストライカー。次節・神戸の吉田監督には長崎時代に指導を受けたとあって「去年は試合に出ることができなかったので、成長した姿を見せたい」。迷わず右足を振り抜くつもりだ。