戸籍法改正に伴い法務省が運用を始めた戸籍情報の連携システムについて、一部の自治体で死亡届などのデータ送信に不具合が生じ、戸籍への反映が遅れていることが5日までに神奈川新聞社の取材で分かった。稼働当初に発生したアクセス集中による不具合とは別といい、同省は公表していない。市民からは遺族年金や死亡保険の手続きが遅れるのではないかと不安の声が上がっている。
法務省や横浜市によると、一部の自治体で不具合が起きているのは死亡や出生、婚姻などのデータ連携。住民が居住地などで届け出をした場合、法務省のシステムを介して戸籍を作成する本籍地に情報を送るが、送信に3週間以上かかっている事例があるという。
法務省の担当者は不具合を認め、「原因を調査し、可能な限り処理を早くできるよう改善を進めている」と説明。各市区町村の戸籍情報システムとの接続に問題がある可能性を示したが「どちらのシステムに原因があるか一概には言えない」と話した。
戸籍情報の業務を巡っては、3月1日の法改正により本籍地以外でも証明書の交付を受けられる「広域交付」が始まった。法務省が各市区町村の戸籍情報を連携させるシステムを作り、同日から稼働を開始。従来は本籍地に郵送していた届け出の情報は、データでのやりとりに変更した。