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朝ドラ「虎に翼」の聖地に 小田原「甘柑荘」、28日から定期公開へ 主人公のモデルも休日過ごす

カナロコ by 神奈川新聞 2024年4月14日 12時0分

 初代最高裁長官を務めた三淵忠彦(1880~1950年)が晩年に過ごした旧別邸「甘柑(かんかん)荘」(神奈川県小田原市板橋)が28日から定期公開される。現在放映中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主人公のモデルで日本初の女性弁護士三淵嘉子(1914~1984年)は忠彦の義子に当たり、甘柑荘は休日を過ごしたゆかりの地。長らく住む人もなく一時は取り壊しの話も出たが、子孫らが「小田原の別荘文化を伝える場所。次の世代に残したい」と奔走し「朝ドラの聖地」として公開にこぎ着けた。

 忠彦は戦前、地方裁判所や大審院の判事などを歴任。新憲法制定に伴う最高裁新設を受け、47年に初代長官に就任し、日本の新たな司法制度確立に尽力した。甘柑荘(敷地約990平方メートル)は病弱だった四男の療養のため、36年ごろに建てられた。

 木造平屋建ての数寄屋風建築で、派手なものを嫌う忠彦が建築家佐藤秀三に「玄関、床の間、一切の装飾のない家」を注文。空襲で都内の自宅が焼失してからは移り住み、長官就任後は公邸が完成するまで数カ月間、最高裁まで通ったという。

 嘉子は56年に忠彦の長男乾太郎と結婚。夫婦ともに裁判官で地方転勤が多かったため、甘柑荘は一家が集まる場でマージャンに興じたという。自然の中でゆっくりとした休日を過ごせる環境を気に入り「晩年は夫婦で過ごしたい」と敷地にミカンなどかんきつ類の果樹を植えたことが別邸名の由来となった。

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