あの舞台に絶対に戻る―。14日に1軍登録を抹消された横浜DeNAの松尾汐恩捕手(20)が同日、イースタン・リーグのヤクルト戦(平塚)で「1番・指名打者」で先発出場し、4打数2安打1盗塁。「(1軍を経験し、)自分の課題が明確に表れた。それと向き合って頑張りたい」と前を向いている。
初回先頭の第1打席、相手左腕・山野の外角直球を中前に運ぶと、1点リードの六回先頭では変化球にも対応し、2安打目をマーク。1軍では8試合13打席のみの出場機会で「いい感覚をつかめていなかった。そこの難しさは感じていた」というが、2軍落ちした日にいきなり結果を残した。
高卒2年目で自身初の開幕1軍をつかんだ今季は、2日の阪神戦(京セラ)で代打でプロ初安打となるフェンス直撃の二塁打を放った。三浦監督にも「いいものは見せてもらった。1軍でやるために力をつけてこい」と激励を受けるなど、爪痕は確実に残している。
忘れがたい経験もあった。6日の巨人戦(東京D)では、かつて18歳以下(U18)日本代表のチームメートで親交の深い浅野と初めて1軍の試合に出場。「いつも仲良くしているが、ライバルでもある。一緒の舞台で戦えたことは本当に幸せだった」と親友との切磋琢磨(せっさたくま)も誓う。
「こっち(ファーム)でもう一度経験を積んで、また1軍で勝負したい」。力強く言い切った背番号5がハマスタに戻ってくる日はそう遠くはないだろう。