2014年度以降に横浜市立学校の児童生徒が自殺した事案のうちの1件について、市教育委員会がいじめ防止対策推進法に基づく重大事態として取り扱う方向で検討していることが17日、分かった。遺族はいじめ被害を訴えているが、学校の調査のみで終了していたという。20年3月に市立中2年の女子生徒がいじめを苦に自死した事案では、重大事態の認定の遅れが明らかになっており、市教委の対応のずさんさが再び問われそうだ。
同日の市会常任委員会で井上桜氏(無所属)の質問に、市教委が答弁した。
市教委によると、14年度以降に起きた自死事案は41件。うち重大事態調査が行われたのは女子生徒のケースのみで、38件は専門家による調査も行われなかった。
こうした状況を踏まえ、井上氏は3月の常任委で、重大事態調査が行われなかった事案を総点検するよう要求。市教委は38件を再調査する方針を示した。
このうちの1件について、市教委が重大事態として取り扱う方向で検討していることが分かった。遺族の意向を確認しながら、重大事態調査など今後の対応を進めるとした。井上氏は「いじめを背景にした自死事案は他にもある」と訴え、対応の必要性を指摘した。