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マイナ保険証不可…「通報」奨励文書に反発「監視国家だ」 河野氏は「問題ない」

カナロコ by 神奈川新聞 2024年4月23日 22時21分

 河野太郎デジタル相(衆院神奈川15区)がマイナンバーカードに健康保険証機能を持たせた「マイナ保険証」が使えない医療機関があった場合、国への「通報」を促すような文書を自民党の国会議員に配布したことに対し、医療団体などが「圧力」「監視国家だ」と反発を強めている。マイナ保険証を巡るトラブルが続く中で利用率低迷の責任を医療機関に押しつける内容も含まれるが、河野氏は「問題はない」との姿勢を崩していない。

 国会内の自民議員の事務所に今月配布された文書では、利用率低迷の原因を「医療機関の受付での声かけにあると考えられる」と指摘。診療所や病院などでマイナ保険証が使えなければ公的な相談窓口「マイナンバー総合フリーダイヤル」に電話するよう、支援者への周知を求めた。非協力の医療機関に対しては「厚生労働省から必要に応じて事実確認する」とした。

 こうした動きに、マイナ保険証への一本化の撤回を求める県保険医協会は反発。密告を受け付け監督官庁から是正させると受け取れる文書に対し、幹部は「マイナ保険証の取得が任意にもかかわらず大臣が通報するよう呼びかける行為には反発を覚えざるを得ない」と憤る。

 野党議員からも批判が相次いでいる。中でも立憲民主党の小沢一郎衆院議員は20日に更新したX(旧ツイッター)で報道を引用し「自民党議員の後援会員まで利権政治の手駒、密告者として組み込もうという思想」と指摘。麻生太郎元首相の過去の発言も引きながら「まさにこれぞかつて自民党副総裁が学べと言ったナチスの手口。結果できあがるのは、独裁的監視国家」と糾弾した。

 政府は現行保険証の新規発行を12月2日に停止する方針を示しているが、マイナ保険証の利用率は5%程度と低迷が続いている。河野氏は昨年12月の会見でもマイナ保険証が使えない医療機関に関して国への情報提供を求めていた。 

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